「水色」 一覧
水のきらめき。
水のきらめき。
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拍手とともに視界は真っ暗になった。
幾度もそれを経験した。
幾度も折れそうになった心を
僅かな光の綱で留めていた。
でも、やがてそれは破裂した。
それは、穏やかな破裂だった。
生き甲斐としてたことをあきらめたら
すごくほっとして、ゆるやかな風が吹いてきて
「それでいいんだよ」って
君は悲しそうに笑った。
拍手とともに視界は薄れていく。
もう何も考えることができない。
何度も頭がショートして
眩暈が止まらなくなって
幾度も可笑しそうに笑って
何かのせいにして
自分の問題ではないって
目をそらした。
拍手とともに視界は何も見ることができない。
ここには私が一人、
ただ静かに静かに自分を外側から
見つめている。
何故だかほっとして
ずっと逃げたかったのかもしれない。
呪いは解けたのに。
なぜだろう、真っ暗な視界が
私を微笑させる。
それは穏やかに。
穏やかに。
せわしなく動き回れば
少しの間だけ憎しみや人と比べることを
しないように出来た。
風に吹かれて湖のほとりで
足をつけていた。
冷たい水が今はかなしくて
癒えるようだ。
こんなに緑青々と茂っている場所でも
自分の弱さに呼ばれながら
どこかへ彷徨ってしまう。
そういう日を無くしたいと思い
毎日、毎日、
瞬間を願っている。
本当に小さくて狭い心が
私なのだと受け止めてから
溢れる黒ずんだ思いは
今も噴水のように吹きこぼれてしまって
止まらなかった。
きっと、怒らな過ぎたんだ。
過去も、今も。
そして負の感情を決して悪いことだとも思わなくて
ただそれだけなんだって、靴を転がした。
横たわってコップいっぱいの冷たいを
カラカラの喉に潤して
今日も正しい感情を見せて
正しく生きて、正しく装い続けた。
冷えた温度が指先でなぞるすべてを
ざらつかせて
朝目が覚めたらなんて第一声を放とうか
考えている。
胸がいっぱいになった夜は
駅のメロディが鮮やかに光って
私は生きているんだと息を強く吸っては
吐いて
売店の緑茶を飲み干して
確かめる、
冷たい温度はすべての感覚を研ぎ澄ませるように
仕向けた。
すべてを感じている。
時間が経てば経つほど
苦しみやつらさや痛みはなくなり
幸せは強く感じるようになって
同時に憎しみは濃く滲むようになった。
変わっていく心模様と
私の姿があまりにも情けなくて
鏡に映る心から目を背けた。
あの頃は無知でなにもかもが
きれいなままで
知らなくてよかったから
知ってしまって
また時が経って
私はとても汚い人間なのだと薄笑いした。
ねぇ、嫌でも変わっていくでしょう。
いい方向に?悪い方向に?
なりたい自分になりたくない自分に
大人になって
こんな見たくないことばかり見るのだったら
ずっと瞼を閉じたままのほうがいいって
あの頃は思った。
眼光を開き今の現実の世界を見た。
そして、自分の心を受け入れた。
これが、自分だ。
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