「色カテゴリ」 一覧
2014/09/18
水面に、ゆらゆらと自分の姿がぼんやりと映るので
目をそらして、風の音だけを聞くようにした。
大したことじゃないから、と空笑いする自分の姿は
なにとも滑稽で。自分が自分らしく頑張るのは
本当に、本当にバカみたいだ。投げ捨てた大事なものを
大好きな人たちがやさしく拾って、私に渡してきたのだった。
その大事なものを、受け取らず、何も言わず
背を向けて秋へと向かった。
時間は過ぎるほどに、気を紛らわし続けて、
目を瞑っていった。
一生懸命に、まじめに、熱を入れれば、すごく笑われた。
気が付けば、体も心も、狭い、水面の中に沈んでいた。
沈んでいるのも、少し安心した。眠りについて、
また朝が来た。一日、一日が、水面の中で揺らぐように
足をプカプカと浮かせていたのだった。
更新履歴 紫
2014/09/12
それは雪のように散りばめられて、群れを成すように
咲き乱れた。さびしく踏切の音が遠くで轟くように
消えていった。
更新履歴 緑
2014/08/26
今日はやけに涼しいので、一枚カーディガンを羽織った。
淡い空が高い雲を静かに泳がせる。
ゆっくり、ゆっくり時間が過ぎていくようで
一瞬は加速するように終わるのだ。
風に揺れるススキをそっとつまむように手を伸ばした。
秋が近い。自然と運ぶ足先がよく知っている。
更新履歴 橙
2014/08/21
誰かのためを思うことは、誰かの幸せにはならなかった。
誰かの幸せを考えれば、誰かのためにはならなかった。
ほんとうに幸せだということは、
なにかほしいものを得ることでもなく
大勢多数の人にほめられることではなく、
たった一人の大切な誰かが、
心より幸せで居てくれることだったんだ。
それは、息苦しく、切なく、愛しい気持ちで
言葉にできない叫びがうめくように、君を見ている。
更新履歴 ピアノ即興 赤
2014/08/02
だんだん、忘れていくので、
忘れてはいけないと言い聞かせた。
忘れてしまったほうが楽だと言い聞かせた。
忘れるなんてひどすぎると言い聞かせた。
温い風が感覚を呼び戻して、
忘れてしまってはいけないことだと自分を諭す。
夏の暑さがうだるようで、
ぼやけた残像が見えては照りつく太陽に
焼き殺されたいとも言う。
おかしくなるような暑さが、
じんわりと心の中に針のような痛みを帯びる。
更新履歴 水色
2014/08/02
「―――――――――――――――」
更新履歴 桃色
2014/07/22
怖いことを思い出したので、目をぎゅっと瞑った。
空中をさまように、腕を掻き回して部屋を泳いだ。
気が付かないまま、空想の世界にふける。
ピンクやエメラルドの魚と一緒に泳いで、
ずっと、旅へ出た。
海を抜ければ、風鈴がチリンと鳴る街へ来た。
楽しく過ごす”外”での自分は、まるで自分じゃないみたいで
しばらく自分を忘れるようだ。
「もう、自分のことなんて忘れて生きよう。」
のぼる、のぼっていく。感覚が消えていく。
風景はスローモーションのように動く。トートバッグに、
現実をいっぱい詰め込んで、ハンカチをかぶせて
見えないようにした。
いっぱい息を吸って、潮風を感じながら泳いでいった。
それは日曜日のこと。
更新履歴 ピアノ即興 桃色
2014/07/22
数々の音色がきらり、きらりと光る。
揺らぐ波も光を成して海を泳ぎ、今日の風を感じた。
アイスクリームが溶けるような暑さの中、
街を行き交う人たちは時間を忘れ、ひしめきあう。
どこを切り取ろうかと迷うこともなく、
シャッターを切っていった。
鶯 更新履歴
2014/07/14
満月の真下、
心を穏やかにしていたら、君は怒るように言った。
「穏やかになんてする必要はない。
心を殺して穏やかにするなんて、誰の事も思えてないよ」
心を殺して、じっと気持ちを我慢することが
また誰かの心も刺すようなことなのだと知った。
君と月を眺め、心をこぼしながら、いくつものの話をはじめた。
更新履歴 ピアノ即興 紫
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