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「深く、深く。水は押し込まれたように、海はそうだ。」
「深く、深く。水は押し込まれたように、海はそうだ。」
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カラカラに乾いた喉が
水でたくさん潤してほしいと言っている。
飲んでも飲んでも尽きないその水が
いつからか不安に、いつからか怖く感じた。
いつまでも流れる水が
いつまでも流れ続けるわけではないと
わかっていたからだ。
ざわりと香る、夜のこと。
ぱきりぱきり、と音を立てて
それを包んでいた殻が割れだした。
露わになったその姿はすごく滑稽だ、
醜くて見れるものではなかった、
露わになったその姿は
今まで目をそらしていた自分の姿だ。
一メートルぐらいの距離で
あなたをずっと見つめていたが
あなたも私を見ていなかった。
ざわざわと外では風が荒れ狂っていた。
これ程にずっとあなたのことを
見放していたことに気が付く。
あなたの瞳に魂は宿ってなかった。
私はただただ、そこで立ち尽くした
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