黄色のカーテン ver.short
2016/10/21
光が差し込めば、あなたはどこか
生温くやさしくて、だけれど
だんだん意識がジグザグの世界へ
否、朧ろな世界へ溶け込んでいく。
なぜだかこの悲しくもゆがんでいる世界を
よく知っている。
ここはどこだ、私の部屋なのに
違う、視界は曖昧なまま
心は穏やかに、明るい光の中へ
溶ける、沈む、波打つ、かなしくて
どこまでも、どこまでも…。
マスタリング:79 Million Reserve 様
☆良太様主催のコンピレーションアルバム、
異世界コンピレーションアルバム「Tattva」より。
現在、通信販売中です。
道
2015/09/07
心が彷徨っているから、何度だって
問いかけたんだ。自分が間違っていたのだと
認めながら、目を背けて外に出ては笑った。
夜になれば、ベッドで呻き、転がるようにして床に落ちた。
苦しいときは、楽しいことをしようと思っても
ほんとうのことから背けてはいけないと
心の中にいる自分は、過去を指で描いて
おしえてくれた。
殻を打ち砕き、外へ、外へと向かっていく。
思えば、そのことばかりを求めて。
思えば、そのことばかり求めすぎて。
求めすぎて。
私は遠い日のことを、そっとまぶたを閉じて
風に吹かれながら思い出していた。そっと、だ。
求めるほうが、無駄だと思っていた。
ないものは、ないものだと思っていたんだ。
求めれば求めるほどつらくなるから、
それならあきらめればいいと。
目を開ければ、いっぱいになった容の中で
ばたばたと溺れていた。
「私は、」
穏やかな調べ
2015/08/08
「雨、降ってるから、心配になって」
少年はそばにかけより、声をかけると
青年はしゃがみながらゆっくり振り向いた。
「雨の海を見ていたんだよ」
雨の海を眺める青年は穏やかな表情の奥で
とてもさびしい顔をしているような気がした。
☆サウンドノベル
「朝焼けのブルー?-Pianissimo episode-」本編BGMより