道
2015/09/07
心が彷徨っているから、何度だって
問いかけたんだ。自分が間違っていたのだと
認めながら、目を背けて外に出ては笑った。
夜になれば、ベッドで呻き、転がるようにして床に落ちた。
苦しいときは、楽しいことをしようと思っても
ほんとうのことから背けてはいけないと
心の中にいる自分は、過去を指で描いて
おしえてくれた。
殻を打ち砕き、外へ、外へと向かっていく。
思えば、そのことばかりを求めて。
思えば、そのことばかり求めすぎて。
求めすぎて。
私は遠い日のことを、そっとまぶたを閉じて
風に吹かれながら思い出していた。そっと、だ。
求めるほうが、無駄だと思っていた。
ないものは、ないものだと思っていたんだ。
求めれば求めるほどつらくなるから、
それならあきらめればいいと。
目を開ければ、いっぱいになった容の中で
ばたばたと溺れていた。
「私は、」