「色カテゴリ」 一覧
2016/11/02
目の前に、かなしいゆらめきが
輝いていて、電車に揺られながら
車窓からその景色を眺めている。
なぜか私はいつの間にか
どこにもいない自分の世界へ
吸い込まれてしずんでいた、
なぜだ、手を伸ばしても
自分のことなど小さいものだ、
なぜだ、胸をぎゅっと掴んでも
こんな小さな狭いこころに
溢れるほどの光がこぼれた。
目の前に、かなしいあなたの姿が
ぼうっと立っていて
私はあなたに触れるのすら怖くて
それでも夜は明けて
なぜだ、こんなに、苦しくても
つらくても。どうしようもなくても。
あなたと一緒にいたい、だなんて。
更新履歴 ピアノ即興 青
2016/10/21
黄色のカーテン?? ver.short
光が差し込めば、あなたはどこか
生温くやさしくて、だけれど
だんだん意識がジグザグの世界へ
否、朧ろな世界へ溶け込んでいく。
なぜだかこの悲しくもゆがんでいる世界を
よく知っている。
ここはどこだ、私の部屋なのに
違う、視界は曖昧なまま
心は穏やかに、明るい光の中へ
溶ける、沈む、波打つ、かなしくて
どこまでも、どこまでも…。
マスタリング:79 Million Reserve 様
☆良太様主催のコンピレーションアルバム、
異世界コンピレーションアルバム「Tattva」より。
現在、通信販売中です。
更新履歴 赤
2016/10/15
「また、海を見てたんだね」
海は教えてくれる。ここにいなくちゃいけないと。
ずっと背負い続けなきゃ、いけないと。
夜が来るたびに、黒い闇が迫ってきて、
あの子のことを考えながら、眠りについて、
朝になって、海の音が聞こえて、
あの子のことを思い出して、過ごして。
隠れていた月に、雲がだんだん流れて、
おぼろげに光を帯びて姿を現した。
月が静かに、海へと映って揺らいでいた。
今日も、明日も、明後日も、
苦しみ続けるいつもの風景は、
ゆっくりと動き出していた。
☆2017冬公開予定、
「朝焼けのブルー? - Mezzo forte episode -」より。
更新履歴 紫 ゲーム使用曲
2016/10/12
こんな風に笑っていても
姿が見えてかたちのあることが
全てではなくて、見えていることは
ほんの一部で
形にするほど薄っぺらい紙くずのようで
ましてや心をかたちにしたとしても
入りきらないうつわのようで
容に入りきらなかった心の屑が
いっぱい空中で散らばって
上唇と下唇をあわせて
かたちにするのすら
やめてしまう。
更新履歴 桃色
2016/10/04
だんだん前のめりになって
自転車を漕ぐかのように
信じた熱い心をうちこむようにしていた。
季節は色付く、それでいて
私の弱さは変わらず
だんだん前のめりになって
この崖を突っ込んでいくかのように
有限な時間の真上で、すべてを解き放っていた。
更新履歴 橙
2016/09/21
(01.prologue)空の移動-prologue-[download id="601"]
(02.main)空の移動[download id="602"]
その日は、風が吹いていて。
高い建物がシルエットとなって、空が
一気に動き始めていた。
なぜか、この真下にいると
私が大切に想う場所や環境さえ
動き始めているように思えて
やがて私自身も動き始めて
遠く移動し始めた、
その日は、風が吹いていて。
自分の往く未来すら
なにをすべきなのか
手に取るようにわかって。
☆効果音無の02.mainのみ、
素材として利用可能です。
更新履歴 ピアノ即興 緑
2016/09/15
ひんやりとした風が、微かに露出した肌に
掠れるように触れて
くしゃみが、ひとつ、ふたつ、空中に散らばった。
長いカーディンを羽織って、この街を歩こう、
海の近くの運河通りで僅かに肩を震わせて
少し暑くなったらカーディガンを脱いだ。
更新履歴 ピアノ即興 橙
2016/09/08
昇った、その小さな石はどこまでも昇って
頂上で大きな音とともに破裂して
どこまでもどこまでも落ちるのだ。
どうしてだ、昇っていけば破裂することが
わかっているのに、なぜとめられないのだ、
私の心がころがってころがって
漣のようにすすきの揺らめく道沿いを越えて
カーテンの揺れる真下から水が漏れ出して
体もぽろぽろ、ぽろぽろと壊れはじめて
小さな石になって、破裂するのを
とめることができない。
更新履歴 ピアノ即興 桃色
2016/09/02
なにも思わず、
ただこの幸せな海の音がうかんでいた。
更新履歴 桃色
2016/09/02
いつまでそうしていたか、わからない。
やさしい風の音が聞こえた、
見上げれば、高く高く雲が広がり
秋の中に私はいたんだと気付く。
見るもの全てがなぜだか昨日までとは
ぜんぜん違った。
迷いを置いて、本をたくさん散らばしたまま
気がつけば自転車をこいで
すすきがそよぐ、あの道を走っていた。
更新履歴 ピアノ即興 橙
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