熱情に往く ver.2017
2017/06/12

なぜだ、こんなに震えるような思いを
持っていても、立ちはだかる壁は多くて
終わりのない道でずっしりとした
熱に蒸発するようだった。
掴もうとしても掴もうとしても
砂埃が吹き荒れて引き戻されるようにして
スタート位置に立たされた。
こんなにも、こんなにも
熱情を抱えながら、果てしなく
聳え立ついくつもの大きな岩の壁を見つめて
生きていくには、あまりにもつらい。
☆2015年製作「熱情に往く」より。
夜影はまどろみに消えて
2017/06/08

夜、明かりがぽつぽつと点り始めた。
町は、静けさをまといながら
人影は、ゆらゆらと走りながら
時計塔は、鐘を鳴らしながら
夜の訪れを、まどろみのように感じていた。
神様が与えてくれたこと
2017/06/06

こおりがゆるやかに
溶けてしまったかのように、ひかりが射した。
なぜ、自分なのか、考えることがあれば
あなたはこう、言っていたとおもいだす。
「この運命を乗り越えることのできる者に
神様は、命を与えるのです」
こおりがゆるやかに
溶けてしまったかのように、ひかりが射した。
わたしが受け止めたことを
これは試練だ、と生きていくのだ。
夏が寄せた幻
2017/05/19

そこは”いつもの風景”みたいだ。
一緒に笑っていた、前みたいに
一緒に並んで椅子に座っていた、
あなたは幼き姿のまま変わらないままで
またあなたと過ごせるのだと
胸を躍らせた、
朝、目を覚ませば、君は消えていた、
重い身体を起こして、
また視界の暗い世界に戻るのだった。
不安がいつも過る日々、
衰えてしまった心や身体は
もう二度とあの日へ戻れないことを
諭すのだ、あなたはいるのにもういない、
あんな風に同じものを見て同じ感覚を持って
笑えないだろう、同じように過ごすことはできないだろう、
あなたは別の世界の人、
私も随分遠くに来てしまったようだ。
朝、目を覚ませば、君は消えていた、
2016年製作の「まどろみの中の目隠し」リンク曲です。