九月の波にさらわれて
2019/09/24


秋のスピードは速く、
あれこれ考えていても
空っ風が吹いて過ぎてしまう日々が
続いていた。すべて吹かれて
いつの間にか次の場所へ着地をしていた、
気がつけばもう10月だ。
通り抜ける風は冷たくて
今は大して痛くない。
秋のスピードは速く、
あれこれ考えていても
空っ風が吹いてすべてなかったことに
放り投げてくれていた。すべて吹かれて
いつの間にか気のせいだと思わせてくれるなら
それでいいのかもしれない、
冷たい風のせいだと、朝の寒気が
すべてつらくさせるのだと
自分に言い聞かせた。
彷徨う秋の心は始まっていた
2019/09/05


「まだ、暑いや。暑いけど
ときどき寒いや。」
体はついていかなくて心も
思い通りに動かなくて
もっと思うままに
生きていくことができたら
よかっただろう。
秋のはじめのこと。一人思いました。
どうしたらいいか、考えました。
山吹色の秋に飛び乗って
2019/09/04


豪雨だ。ピシャリピシャリと
打ち付けて。雷も鳴っている。
思い通りにはいかなくて。
吊るされたように
まるで身動きが取れなくなっていた。
「だけれどそれは、あなたが
表したいことを
表したい方法で
表していかないからだ。」
秋の初め頃、気がついたように
走り出していった。
失ったこと、置いてきたこと、
また、表すために
風に乗って、山吹色の稲穂畑が
連なる上をまっすぐと
思うがままに飛んでいくのだ。
現影の日に
2019/06/14


風が吹いてきたので窓を閉じました。
手帳を開いて予定を確認します。
毎日は瞬間とともにページが変わっていきます。
毎日積み重なる日々は重たいようで
手放してはいけない記録帳です。
振り返ることはあまりしなくなりましたが
記録することはやめてはいけないと
自分に唱えました。
あの日工場からもくもくと煙が出ていて
まだこんなにしか
世界を見れていないと知りました。
窓をまた閉じました。
風が吹かないように全ての窓を閉じました。
光は届くべき場所に
幸せは大切な人の場所に
かなしみは分かち合いたいです。
心に新しいかなしみを注ぎました。
明日から私が記録するのは
表していくことは
自分だけの為ではないのです。