「色カテゴリ」 一覧
2019/11/30
列車、最後の車両から見える景色は
だんだんと遠ざかってゆく。
こんなにも残酷なほど目に見えるほど
トンネルのなかで滲む光は
弱い心を無理矢理でも
立たせようとする。
この景色をあの日も見た記憶がある。
確かに雪は降っていた、積もっていた、
心は歩きだしていた、
とても正直だ。
さ迷う暗闇が晴れていく、
じきにこの雪もやむだろう、
隙間なくうめられた未来が諭す、
「どんな朝がきたって構いやしない、
どんなに、這いつくばっても。」
更新履歴 ピアノ即興 緑
2019/10/31
/YOUTUBE版
肩の力を入れすぎてたらしい。
秋、初雪のにおいがする頃
すとん、と腑に落ちて
かたん、と地面に着地した。
「どこまで
手を伸ばしにいこうとしてたんだろう」
羽を休めたらわかったことが沢山ある、
神様なんてものはいないけれど
今はこうしていたほうがよいと
空も言っているのです。
更新履歴 ピアノ即興 紫
2019/10/10
/YOUTUBE版
陰のかかった曇り空、高くなびいている。
小鳥たちのさえずりが聞こえる。
一歩、一歩、踏み外さないように
歩いていくのは大変で
明日や明後日、ましてや今日のことを
考えるだけで今は精一杯だ。
それでも、時間の流れははやくて。
流れに流れることもできない。
陰のかかった曇り空、高くなびいている。
胸の内はざわめき始めている。
秋、ひとひらの光を抱えて
落とさないようにする。
更新履歴 ピアノ即興 水色 緑
2019/10/02
/YOUTUBE版
風が心と共鳴するように
静かな泉のようにたぷり、たぷりと
涼やかにかなしく漂っていた、佇んでた。
なげやりな気持ち、呼吸はしにくい、
だけれど生きていた、それでも生きていた。
更新履歴 ピアノ即興 鶯
2019/09/24
/YOUTUBE版
秋のスピードは速く、
あれこれ考えていても
空っ風が吹いて過ぎてしまう日々が
続いていた。すべて吹かれて
いつの間にか次の場所へ着地をしていた、
気がつけばもう10月だ。
通り抜ける風は冷たくて
今は大して痛くない。
秋のスピードは速く、
あれこれ考えていても
空っ風が吹いてすべてなかったことに
放り投げてくれていた。すべて吹かれて
いつの間にか気のせいだと思わせてくれるなら
それでいいのかもしれない、
冷たい風のせいだと、朝の寒気が
すべてつらくさせるのだと
自分に言い聞かせた。
更新履歴 ピアノ即興 紫
2019/09/05
「まだ、暑いや。暑いけど
ときどき寒いや。」
体はついていかなくて心も
思い通りに動かなくて
もっと思うままに
生きていくことができたら
よかっただろう。
秋のはじめのこと。一人思いました。
どうしたらいいか、考えました。
更新履歴 ピアノ即興 赤
2019/09/04
豪雨だ。ピシャリピシャリと
打ち付けて。雷も鳴っている。
思い通りにはいかなくて。
吊るされたように
まるで身動きが取れなくなっていた。
「だけれどそれは、あなたが
表したいことを
表したい方法で
表していかないからだ。」
秋の初め頃、気がついたように
走り出していった。
失ったこと、置いてきたこと、
また、表すために
風に乗って、山吹色の稲穂畑が
連なる上をまっすぐと
思うがままに飛んでいくのだ。
橙 更新履歴 ピアノ即興
2019/08/22
手に余ることなく使い果たしたこの指は
まだ見たことのない容を奏でてみたい。
安定でもなく着飾るものでもなく
裸のままにそこで座ることができたら
どんなによかっただろうか。
夏。打っては消して、打っては消して。
なるべくきれいなもの、嫌われないものを
求めていた。
そこはぬるま湯みたいで
たぶん、このままではきっとよくないだろう。
表したいこと、自分自身にも
音にも嘘をつかず
そういう風になれたらよかったんだ。
更新履歴 ピアノ即興 桃色
2019/07/06
海面を目指して水の中から
また息の吸える場所を目指して
勢いよく顔を空へ見上げるようにと飛び出した。
不条理なこの今の状態を
どうにかしたくて
また地面へと足をつけた。
逃げ場にしていた、
潜れば何も傷つかなくて済むから。
久しぶりに見上げた空は
過去と繋がって流れてきた、
だけれど心の中は前を向いていた。
更新履歴 ピアノ即興 緑
2019/06/14
風が吹いてきたので窓を閉じました。
手帳を開いて予定を確認します。
毎日は瞬間とともにページが変わっていきます。
毎日積み重なる日々は重たいようで
手放してはいけない記録帳です。
振り返ることはあまりしなくなりましたが
記録することはやめてはいけないと
自分に唱えました。
あの日工場からもくもくと煙が出ていて
まだこんなにしか
世界を見れていないと知りました。
窓をまた閉じました。
風が吹かないように全ての窓を閉じました。
光は届くべき場所に
幸せは大切な人の場所に
かなしみは分かち合いたいです。
心に新しいかなしみを注ぎました。
明日から私が記録するのは
表していくことは
自分だけの為ではないのです。
更新履歴 ピアノ即興 赤
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