こつこつと、それは舞う。
2015/08/02

先生が黒板にチョークを叩くようにして、
字を書いていくのだった。
少年はそれを見つめ、眺める。
チョークの音がこつこつ、時々粉が舞っていく。
深緑の黒板に淡い黄色・桃色・水色、
そして白色が彩られていく。
その風景は、少し好きだった。
☆サウンドノベル
「朝焼けのブルー?-Pianissimo episode-」本編BGMより
やさしい出会い
2015/08/01

ここは、海が見える町だった。
学校の帰り道、海沿いの道から
そっと砂浜に駆け降りると、
折り畳みのキャンプで使うような翠の椅子に
深くもたれかかり海を眺めているお兄さんがいた。
その姿は、どこか悲しそうで寂しそうで
それでも穏やかな表情を崩さないように
お兄さんは、ただただ、海を眺め続けているのだった。
☆サウンドノベル
「朝焼けのブルー?-Pianissimo episode-」本編BGMより
瞼を閉じて、想ったんだ。
2015/07/28

とおくの、かなしいしらせを聞いて、
僕は、まぶたを閉じてその人のことを
想像した。いろんなことを、想像した。
幸せに生きる人がいる。
そして、今もどこかで誰かが苦しんでいる。
そして。誰かが今日もいなくなる。
少年の心
2015/07/27

この世にはずれを感じる人と、
それに気づかないで生きていく人がいると
祐(たすく)はずっと思っていた。
「祐くん、落ち葉、本に挟まってたよ」
黄金色や茜色の木々がやわらかい日差しを浴びて
光は祐の頭にかかるようにして、降り注いだ。
☆サウンドノベル
「朝焼けのブルー?-Pianissimo episode-」本編BGMより