真夜中の12号線 ver.2015
2015/09/25
誰もいない国道の真ん中、ライトが照らしていた。
近くでは踏み切りの音が鳴っている。
ウインカーをチカチカと点滅させる車が止まっていた。
そこには、誰も知らない物語がある。
☆2008年MIDI製作「真夜中の12号線」より。(MIDIリンク)
元々のMIDI用の曲ということもあり、
演奏として公開するのははじめてのことでした。
寂れ街 ver.2015
2015/09/14
薄れた空気で、人は憂いの瞳でゆっくりと歩く。
この街を知っているか。
ここは悲しみの街。
人々は夜も朝もセピア色の空を眺めているだろう。
原曲:2005年製作/MIDI「寂れ街」(MIDIデータ)より
☆ver.2011年も公開しております。
是非、聞き比べてみてください。
幸せのために
2015/09/11
「…人のために、行いをしたとしても、
それはきっと自分のためでもあるんだ…」
足元はすごく冷たいのに、
肩の上にある加藤の手が、とても、やさしくて
あたたかくて、それでいてかなしかった。
こんなにやさしいのに…いや、こんなにやさしいから…
かなしいんだろう。
☆サウンドノベル
「朝焼けのブルー?-Pianissimo episode-」本編BGMより
槇の疾走
2015/09/10
祐の手は誰かに強引にひっぱられて、
いつの間にか走っていたのだ。
視界をはっきりさせるように、目をこすると、
目の前に槇が汗ばんだ手で自分を引っ張っていた。
☆サウンドノベル
「朝焼けのブルー?-Pianissimo episode-」本編BGMより
遠のく世界
2015/09/10
怒った顔の槇が
一冊の寂れたえんじ色の本を手に取った。
ぶつかったときの衝撃、落としてしまったせいか、
分厚い表紙がぶらりと、取れてしまっていた。
祐は頭がぐるぐるした。
槇は強い口調で吠えるように言った。
☆サウンドノベル
「朝焼けのブルー?-Pianissimo episode-」本編BGMより
道
2015/09/07
心が彷徨っているから、何度だって
問いかけたんだ。自分が間違っていたのだと
認めながら、目を背けて外に出ては笑った。
夜になれば、ベッドで呻き、転がるようにして床に落ちた。
苦しいときは、楽しいことをしようと思っても
ほんとうのことから背けてはいけないと
心の中にいる自分は、過去を指で描いて
おしえてくれた。
殻を打ち砕き、外へ、外へと向かっていく。
思えば、そのことばかりを求めて。
思えば、そのことばかり求めすぎて。
求めすぎて。
私は遠い日のことを、そっとまぶたを閉じて
風に吹かれながら思い出していた。そっと、だ。
求めるほうが、無駄だと思っていた。
ないものは、ないものだと思っていたんだ。
求めれば求めるほどつらくなるから、
それならあきらめればいいと。
目を開ければ、いっぱいになった容の中で
ばたばたと溺れていた。
「私は、」