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光る叫び

2019/01/02

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晴れ晴れとした日差しの中で
出発した眩い夜は
いつもとちょっと違う。
そうして発車して降りる駅も
いまはそんなに、かなしくないだろう、
階段だって一番先頭を歩いて
もう、恥ずかしくないのだ、
晴れ晴れとした凛とした冷たさに濡れた夜は
現実への収束が早いように思えて
ここまでも全て受け入れれた、
今受け止めれるのなら
ここから歩く世界は
怖くなくて
祓うものもなくて
満ち溢れていた、1月。

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心の奥底にきれいな水を注ぎたい

2018/12/04

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心の奥底にきれいな水を注ぎたい。
そう思って、蛇口をひねった、
心の入り口から流し込むのだ、
喉を潤す、だけれどそれ以上奥には
流れ落ちなくて
口から溺れるように溢れ返ってしまって
身体はいつの間にか水の中だ、
足もつかないその水の中で
なんとか泳ごうとして腕でかき回して
必死に、必死に息を止めて
抗った。

心の奥底にきれいな水を注ぎたい、
ただそれだけだったんだ。

心の奥底にきれいな水を注ぎたい、
ただそれだけだったんだ。

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夜は続いてゆく

2018/11/13

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物語ははじまった。
明日も明後日もはじまった。
冷たいアナウンスが燃え尽きた心に
痛いぐらいに染み渡って。
疲れ果てた身体に、挫けそうな魂に
呼びかける。

“戻ってきたのだ”と。

朝の音がつらい、夜を終えるのがつらい、
昼もずっと夜のままでいたい。
朝を迎えるのが今はつらくて
夜を終えるのが怖くて不安で
目をぎゅっと瞑って何も見えないように
いつまでもいつまでも
ドアを閉じて
この日を終わらせない。

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Don`t tell

2018/11/05

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ざわりと香る、夜のこと。
ぱきりぱきり、と音を立てて
それを包んでいた殻が割れだした。
露わになったその姿はすごく滑稽だ、
醜くて見れるものではなかった、
露わになったその姿は
今まで目をそらしていた自分の姿だ。
一メートルぐらいの距離で
あなたをずっと見つめていたが
あなたも私を見ていなかった。
ざわざわと外では風が荒れ狂っていた。
これ程にずっとあなたのことを
見放していたことに気が付く。
あなたの瞳に魂は宿ってなかった。
私はただただ、そこで立ち尽くした

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再生の日

2018/10/29

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今日は再会したのだ。
それは形におさまらないもの、
輝くもの、瞬間にあるもの、だ。
気が付けば緩やかな曲線に沿って
ペダルを漕いで、足を離せば
心地よい斜面を下りているでしょう。
風など感じないぐらいに
だけれど輪郭ははっきりしながら
見つけたのでしょう、
出会えたのでしょう、
新しい風がまた吹いていく、
近くに。もっと、近くに。
幸せはある。

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音は色褪せることがなかった

2018/10/22

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きらきらと瞬きをする、教室だ。
肌色のカーテンゆれていた。
次第に鍵盤を奏ではじめた。
一斉に歌い始めた、
ざわりと心が震えた、
意識はどんどん深くのめりこんでいく、
歌声と教室のピアノの音が体中を支配した。
あのまっすぐな瞳。

「ここに、いたんだね。」
彼女はその教室の一番後ろで眺めていた。
やさしい音が次第にやってくる。
ここにいた確かなこと。
気が付いたら瞳は濡れていて
ベッドの上にいた。

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容広げて生きていくなら

2018/10/20

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何もいらないはずだった、
だけど抱えているかけがえのないものが
あまりにも多すぎた、
いつしか選べなくなっていた。
どう考えても行き着く答えはわかっているのに
受け入れられない、
それなら全て抱えて生きていったほうがいいと
乾ききった心を潤してくれたことを
胸に刻みながら、光をくれたことを
想う。
抱えきれないのなら、自分の心を
もっともっと広げていけばいい。

更新履歴 ピアノ即興 桃色

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満ちて満たされぬ者

2018/10/15

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何も困らなくても悩んでいることが
無くとも
大勢の喧騒に混ざっていても
なぜだか心はざわざわと海鳴りを描いていた。

艶めく情熱はいつだか、
寂しく冷たいものになっていた。

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この世界に身を任せながら

2018/10/05

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風の季節の訪れ。10月はやってきた。
ゆっくりと自転車を漕げば
道路わきに花たちがたくましく伸びていた、
涼やかな空気、焦げるような田畑の匂い、
久しぶりに見上げた空は
高く、高く澄んでいた。
もう深呼吸はいらない、道しるべもいらない、
背中を押す風さえも。
育ったこの場所さえ
感じなかった。
全て感じなくても、走らなくても
魂を注がなくても、
考えながら生きていかなくても
もういいでしょう。
すっと手を伸ばして
足をふわりと浮かせたら
いつの間にか世界と一緒に生きていたのです。

更新履歴 ピアノ即興 水色

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終着地まで眠る

2018/10/02

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灰暗い曇り空が覆っている。
何が不安か、心の中では悟っていて
辿りつく答えも当の昔から決まっていて
だけれど目を背けて
笑顔で束の間、忘れていた、
向き合うことが出来ない、
逃避し続けていた、
歩き始めてからそこまで辿りつくのに
いくつもの枝分かれした道を
遠回りしながら
いつかはその場所に辿りつく。
涙が溢れるぐらい苦しいのに
わかっていた、
決まっていたんだ。

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