九月の波にさらわれて
2019/09/24
秋のスピードは速く、
あれこれ考えていても
空っ風が吹いて過ぎてしまう日々が
続いていた。すべて吹かれて
いつの間にか次の場所へ着地をしていた、
気がつけばもう10月だ。
通り抜ける風は冷たくて
今は大して痛くない。
秋のスピードは速く、
あれこれ考えていても
空っ風が吹いてすべてなかったことに
放り投げてくれていた。すべて吹かれて
いつの間にか気のせいだと思わせてくれるなら
それでいいのかもしれない、
冷たい風のせいだと、朝の寒気が
すべてつらくさせるのだと
自分に言い聞かせた。
レヴィアタンの海 ver.short
2017/10/13
審判の日。海の支配者は荒れ狂うように波の上を
勢いよく突っ切れば、海は割れるようにして
閃光を放っていた。レヴィアタンの在る処に
悪魔の光宿る。
☆Kyocmp様主催、壮大コンピ「ONNUEHO5」より
参加させて頂きました楽曲のデモです。
2017/10/29 秋M3、[N-22a]ブースにて頒布されますので
是非特設サイトもチェックくださると幸いです!
楽曲は海の悪魔とも呼ばれる、レヴィアタンという
ドラゴンをイメージしました。
嵐の中の海の上を、光の閃光を帯びながら
飛んでいく、という曲設定になっております。
雨粒の世界で出会いましょう
2017/09/12
打ちつけた。たたきつけるように
ぴしゃり、と雨粒はアスファルトを踊った。
窓硝子だって曇らせてぼかしていく、
部屋の中は暗い、そういうときは
感傷的になるでしょう、
だから踊り荒れ狂う雨粒をながめて
心だけひゅるりと旅に出るんだ
風に乗って、君と踊った、
ぱち、ぱちと手をたたきながら
足は、とん、とん、とリズムを取って
加速する風景の中で
窓辺の中に世界がある。
その窓に吸い込まれるようにして
悩ましいことも
雨粒に委ねて。いつまでも
踊ればよいでしょう、
存在なら消した、風なら吹いた。
2017/09/06
山吹の風は吹いてきた、
夜、トンネルから抜けてからも
眩暈がした。何も照らすものはなかった、
光を持っていたとしても
それは、”光”ではなかった。
それならば、風に溶けてしまえ
何ともないことで、くよくよしてしまうのなら
自分など存在のしない感覚で
生きる実感を捨て
ただ、手を動かして足など踏んでしまえ、
いない、いない、ここにもそこにも
あしたにもいない、
どこにもいないならだいじょうぶだ。