「ピアノ即興」 一覧
2022/01/28
寒いねって
君は笑って雪に体を委ねるように
倒れて息を吐いていた。
まるで凍えて僕たちは凍り付いてしまいそうで
今にも息絶えそうだと思った。
ずっと思った。
何度も確かめ合ったこと、
両手を握り合わせたこと、
君とならここで雪に覆われて
死んでしまっても構わないだろう。
更新履歴 ピアノ即興 水色
2022/01/24
しんしんと降り積もる雪は
まるで私の心みたいに静かな熱情で
燃えていた。
それはひそやかで息も細く
生きながらえるのなら
散りばめられて海に葬られて
無かったことにされたい。
更新履歴 ピアノ即興 紫
2021/12/17
空は嘘みたいに青く晴天だ。
故郷がまるで送り出すかのように
うまく運ぶように私を連れていく。
長い夢の中で
電車の中で
涙を伊達めがねで隠しながら
帰った夜から過ぎ去って。
ふるさとは遠ざかっていく。
絶対の「さようなら」では
なくなったと知るのだった。
田園しか見えないこの地を
空から見下ろす。
あまりにも尊くて愛おしくて
苦しかった。
私は生まれ変わっていた。
何度でもさなぎから羽を伸ばして
何度も脱皮するのだ。
旅をしながら思った。
また、帰ろうって。
更新履歴 ピアノ即興 赤
2021/12/15
電車、久しぶりにここへ来た。
田舎だ、ぽつりと心の中で呟いた。
久しぶりの温かさが嫌になるほど
苦しかった。
私が決めた道なのに
戻れない場所を想うのは
それだけ私がここで愛されてきたからだ。
ここから離れて生きていくことを
決めたあの日から忘れかけていたんだ。
ここで生きて愛されてきたことを
狂おしいほど思い出すのだ。想うのだ。
青 更新履歴 ピアノ即興
2021/12/01
誰かに喜んでほしくて
手や足を動かしても
喜ぶだけじゃなく
いくつかの疑心暗鬼が返ってきて
そんな簡単な感情を
大人になってからはうまくいかない
悪いこと言いたくない
(それってだめなのかな?)
大人になると単純なことが
あれこれ複雑になって
別にそう思ってなくても
悪く捉えたりして
気持ちを一番知ってるのは
自分だけでしょ
だから、そう
決め付けないで
更新履歴 弾き語り
2021/11/23
しんしんと降り積もる雪がずっと記憶にあった。
それは時に何もかもを奪う敵となった。
それは未来さえも闇に葬るようでもあった。
私が歳を重ねた頃全てを薙ぎ捨てた、ようにも思えた。
あくる日の今日を迎えた時
全てを捨てたわけじゃないと知った。
それは間違いでもあり間違いでもなかった。
あのキラキラした輝いている瞬間を覚えているか。
忘れてしまっていたのか。
それともわすれようとしていたのか。
全てから離れるために悪にしていたのか。
言葉をいくつ重ねても足りていない。
あの輝きを思い出した時
私は息苦しい思いを全て解き放った。
全てはこの日のためにあった。
胸が焼けるように熱かった。
何もかも後付けがましい。
後付けのようで美化のようでもあり
だけれど確かそこに輝きがあったのだと
お前は思い出す。
悲しいぐらいに振り切った。
何もかも人のせいにした。
だけれどはずっと、自分の中に
輝きがあったんだ。
更新履歴 ピアノ即興 赤
2021/10/18
冷えた温度が指先でなぞるすべてを
ざらつかせて
朝目が覚めたらなんて第一声を放とうか
考えている。
胸がいっぱいになった夜は
駅のメロディが鮮やかに光って
私は生きているんだと息を強く吸っては
吐いて
売店の緑茶を飲み干して
確かめる、
冷たい温度はすべての感覚を研ぎ澄ませるように
仕向けた。
すべてを感じている。
更新履歴 ピアノ即興 水色
2021/10/11
季節は瞬く間に雪の結晶のように
一瞬を閉じ込めては消えていった。
帰り着く場所はやはりここなのでしょうと
苦笑いした。
それならば貴方に話しかけるように触れた。
「私はここにいるよ!」と。
貴方なら例え暗くても怒っていても
あらわしてくれるでしょう。
私の心と対話してくれるでしょう。
私はここににいる、叫んだ。
小さくて汚らしい心だけれど
構わない。
貴方はそういう私を見てきた。
今、対峙して心を露わに、
私はきっとやめない。
季節は瞬く間に雪の結晶のように
一瞬を閉じ込めては消えていった。
帰り着く場所はやはりここなのでしょうと
苦笑いした。
更新履歴 ピアノ即興 紫
2021/10/01
チク、タク。時計が刻んでいく。
秋の気配、高鳴る鼓動。
確実になった幸せは尊くて
束の間、いつか倒れることも考えなくて済んだ。
日々、ざわめく心があっても
友と話して外の空気を吸っていけば
今までとは違いいつの間にか
風に乗って強く飛べた。
それでも思い出すのは
あの日々、あの者たちのこと。
私は今も、あの日々を刻んで
今があるのだと、思う。
更新履歴 ピアノ即興 橙
2021/09/14
心はじけるように
飛び跳ねてどこまでもいけそうだ。
君の音に向き合えなくなってから
私はひたすら旅に出て
沢山の人と笑いあった。
そういう時間が、必要だったんだ。
君の音とまた会えたとき
新たな心で奏でていけたらと思った。
ずっと続いていく。君がいる限り。
更新履歴 ピアノ即興 赤
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