また飛び立つ日のために
2017/01/06
なにを描きだしても本当の世界にはかなわない、
こんなにも笑って声をあげるほど泣いてしまうことが
そして目が焼き付けるほどの眩い風景が
いとしくて、あなたは世界を色付ける。
描き出すことの全てが今は果てしないこの世界には
かなわないと知れば
私のいくべきみちは、桃色や黄色や
緑色や水色に輝く、どしゃぶり雨の瞬くもとで
教えてくれる、あの場所へまたゆくひのために
どこにもいない君と、
2016/07/20
「ぼくはここにいます」
軽やかなステップで足を急がせた。
まっすぐと抜けた先に、灯りがついていたよ、
ドアを開けると今よりすごく前の
あたらしいぼくのお家の中だよ、
手をあらって、ぼくのへやに上がって
ベッドの上で考えたよ、
ぼくはどこにいるのか、ときどき
わからなくなるから、
ぼくは容なき君としゃべりあって
ぼくをみつけたよ、
ぼくはここにいるよ、
きみはいないのに、
ぼくはいるんだね、
時の航路
2016/06/27
いろいろかんがえたけれど、なにも見つからなくて
なにもない野原でずっと立ちつくしていた。
たくさんのことがわかったのに、
一番わかりたいことが、わかることができない、
きっと、”それ”を見つけるために
いつもこうして生み出してきたのだと思う。
いろいろかんがえたけれど、わたしには
一番だいじなものが空っぽで
透明なボトルのように軽くて蹴飛ばされたら
どこまでもどこまでもとんでゆくんだ。
でも、そんな風にかんがえていても
日常は時速を上げてすぎてゆくのだ、
もうどうでもよくなって、風にふかれて
朝がきて夜がすぎて
いろいろかんがえることの無意味さを
知る。
ただ、進む。それだけで、航路ができていく。
こだわりを棄て、からだを浮かせて
ゆこう、夢をみることをやめて
もっと、ほんものの世界へ。
春の海辺にて ver.short demo
2016/05/13
春の海辺にて ver.short demo
「ねぇ、どうして」
まだ肌寒い春先のこと。
波の音が聞こえた、カモメの鳴き声も聞こえた。
青年も目の覚めていない朝は、すごく静かで、
浜辺では、淡くやさしく穏やかに時間が流れている。
生温い潮風が、佇むように吹いていた。
☆イラスト:Merrill Macnaut様
マスタリング:マシュー様
6月17日~19日に行われるAPOLLO第四回にて
リリース予定の新作アルバム「少女の海から」より。
ティザーサイト公開中。
特設本サイトは5月末公開予定です。
都市列車の夕べ ver.short
2016/02/22
不規則に揺れる列車の中では
帰路の途中へと着いた人達でひしめき返っていた。
窓の向こうでは、さびしく踏切が光り
ビルの数々が青白く光り
ひんやりとした情景は、心が水底に沈んでいるみたいだ。
列車が揺れる。今日も、この街へと眠る。
☆良太様主催のコンピレーションアルバム、
「Following the Light -夜景コンピレーションCD- 」より。
パッケージ版とDL版が通信販売中です。