ある朝のこと - ver. 2014 -
2014/10/22
朝が来たから、君は笑うんだよ。
思いっきり体を伸ばして、
心の扉も開けて、開けて。
歩いていた足がふわりと宙に浮いて、
空中に浮かぶ見えない階段を、どんどん上がっていく。
自分だから歩ける世界を確かに感じて、
まるで飛んでいくような気持ちで呼吸をした。
強く、強く、生きていく。
もう大丈夫、もう私は信じている。
☆2013年製作、
「ある朝のこと」のリメイク曲です。
2013年の頃より、
気持ちを新たに演奏しております。
幸せになるために出発した
2014/10/16
「延長戦、終了だね」
憧れの地で、まるで夢を見ていたかのようにも思えた。
つらさ感じて涙を流してしまうことだって、
それもうれしかったんだ。
この時よくわかった。痛いほどにわかった。
自分がこの世に生まれてきた理由がわかった。
人は人を愛して、愛されるために生まれてくるんだと、
わかった。
- 強く、心を持って生きよう -
飛行機の中で憧れの地を、いや…あなたの地を見つめた。
だんだん遠ざかっていく。
これでもかというぐらいに遠ざかっていく。
やがて空が白い雲で景色は消えていく。見えなくなっていく。
私は決めた。新しい世界へ、行ってきます。
静かな調べ ? ver. short demo -
2014/09/29
時間は、積もる雪のようにあっという間に過ぎた。
寒さもあり、展望台下のカフェに急ぎ足で
入ることにしたのだった。ホットコーヒーが
運ばれてきて、砂糖を甘目にたくさん入れて
口にした頃、そこでは偶然音楽会が開かれていて。
若い楽団達が、バイオリンやビオラの演奏を
はじめたのだった。暖炉が暖かく、懐へと沈ませる。
贅沢な時間が過ぎる中、窓の向こうは吹雪になっていた。
吹雪のことも忘れてしまうぐらい、
ゆっくり、ゆっくりと、それは過ぎた。
☆2014年11月9日、北海道コミティア1にて頒布予定の、
製作中、新作アルバム「雪の鳴る街へ」より。
賑やかで寒い、外から入った一軒のカフェは
一気に体を暖かさが包み込み、
ひどく静かなものでもありました。
それは、この1シーンだけでなく
冬の日なんかには、寒いところから、
暖かい場所へ移動したときに感じる、温もりや
ほっと安心するような、
雪国ならではの一瞬のひとときなのです。
そんな地に住んでいる自分だからこそ、
表現できる「冬」のアルバムを現在製作中です。
暗がりに灯る想い ? ver. short demo -
2014/09/25
- それは、やさしく淡く、溶けていくのでした -
舞台は北海道オルゴールの街、小樽。
季節は12月の終わりに差し掛かる。
街灯には暖かい色のした光が灯ったのだった。
優希(ゆき)は真紅のコートをまとって、
雪がしんしんと降る中、白い景色に足跡を刻んでいく。
優希は大切な人とその道をずぼずぼと雪に沈みながら、歩く。
自分の名前と同じ、雪(ゆき)は嫌いだったけれど、
その大切な人と歩けば、雪も悪くないと思ったのだった。
夜になれば、吹雪が来て、大荒れだ。大切な人を
やさしく、それでいて離れない強さで手を握って、
暖かい場所まで連れていく。
お菓子屋さんのある二階は
オシャレなアンティークのカフェで、
そこではちょうど音楽会が開かれていた。
あたたかいコーヒーを砂糖多めに口にしながら、
クラシックの音を聴くのだった。
☆2014年11月9日、北海道コミティア1にて頒布予定の、
製作中、新作アルバム「雪の鳴る街へ」より。
雪がしんしんと降りしきる北海道の地、小樽をモデルにした、
一枚になっております。現在鋭意製作中ですので、
お楽しみに。ジャケイラストはラフ段階のもので、
今回も素敵な絵描き様にお願いしております。
特設サイトも来月中にOPEN予定です。
※2014.09.29.更新
今回曲ごとの尺が長いため、
視聴のショートデモの尺を伸ばしました。
水面に眠る
2014/09/18
水面に、ゆらゆらと自分の姿がぼんやりと映るので
目をそらして、風の音だけを聞くようにした。
大したことじゃないから、と空笑いする自分の姿は
なにとも滑稽で。自分が自分らしく頑張るのは
本当に、本当にバカみたいだ。投げ捨てた大事なものを
大好きな人たちがやさしく拾って、私に渡してきたのだった。
その大事なものを、受け取らず、何も言わず
背を向けて秋へと向かった。
時間は過ぎるほどに、気を紛らわし続けて、
目を瞑っていった。
一生懸命に、まじめに、熱を入れれば、すごく笑われた。
気が付けば、体も心も、狭い、水面の中に沈んでいた。
沈んでいるのも、少し安心した。眠りについて、
また朝が来た。一日、一日が、水面の中で揺らぐように
足をプカプカと浮かせていたのだった。