「色カテゴリ」 一覧
2018/10/01
さみしさや風に吹かれて
沢山の人がいる方へ行けば
それだけ置いてきたものも
同じぐらいの重みがあったんだ。
抱えきれないものがぽろぽろと零れだしたので
必死になって走って戻って拾い始めた、
抱えなおした、
涙の粒を拾って思い出す
大切なこと、かけがえのないもの、
もう落とさないように。
更新履歴 ピアノ即興 紫
2018/09/18
夏の終わり、秋の始まりは
空っ風が全身を押し倒すように
強くて、乾燥した唇をきゅっと結んだ。
飛行機の轟音が空を駆け巡る、
アスファルトにはまだ蜃気楼が輝いていた、
畑々は剥き出しになって光がきらりと輝いて
「まだ、終わりじゃないよ」って
君はそう言った。
夏がまだ終わりではないのなら
この高鳴る鼓動は
まだ響き続ける、
入道雲が夏の終わりを告げない。
終わらない、始まらない、
揺れる街並み、
夏を高速で描き続ける。
更新履歴 ピアノ即興 赤
2018/09/02
/YOUTUBE版
その光は、幾つもの陰りを
やさしく照らした、鳴らすようでもあった。
夢の中で君は、私に今でも諭すように
現れて、喉の乾きをうったえて
横たわる。翳りゆく夢はそうして
哀しいほどに広がる、めくるめく景色は
残酷だ。
今でも蘇る、
あの日は、尊くて、大切で
この光を消さないように
控え目なやさしさをつくった。
更新履歴 ピアノ即興 水色
2018/08/20
薄く色付いた紅色やオレンジ色のあの日々が
いつまでも自分を苦しめた。
跳ねてもぐんぐんと走っても平気だった頃、
何色にだって染まって私は何も知らないまま過ごした。
幾つも春が過ぎて夏も過ぎて
明日も明後日も過ぎて気が付けばまた春に戻った。
いつまでも苦しめた。
今日、この場所で瞼を開けていたら
あの日々を重ねていた。
同じようで全然違う、だけれど何重にも
あの日々を忘れるぐらいに
色は重なって濃くなって、
本当に幸せだった。
ピアノ即興 橙 更新履歴
2018/08/08
ぼぅっと、人影が見えた。
ような気がした。誘われて踏み入れてみれば
まだ、嗅いだことのない匂いがした。
黒と灰色のコントラストの隙間から
光はいつものように見えない。
だけれどそれが居心地よかった、
静かに彷徨いつづけた、
夏を歩くのはもう疲れた、
ここに眠ろう、
更新履歴 ピアノ即興 緑
2018/08/04
/YOUTUBE版
その容が完成したとき
わたしは大層よろこんだそうだ、
だけれど次の瞬間には
粉々に紙をやぶったそうだ、
そして最後には夜の空を走って
水槽の中で溺れた。
また、こんなにもむなしい夜空の中に
漂っている、とてもつらい、
その容は本当にきれいだったのに
その容に満たされていたのに
苦しいほど今はその容をまっすぐ見れない、
更新履歴 ピアノ即興 紫
2018/08/01
汗が滴る暑さなのに
体はぴんとじっとして立てないのに
今が一番幸せだった、
笑顔でいられた、笑顔だった、
無理もしなくていい、全力をかけなくていい
心にゆとりを持たせていいのだ、
逃げたっていいのだ、
またここに立てばいいのだ、
抗ってもいいのだ、
自己嫌悪してもいいのだ、
哀しい顔をしても
どんな仮面をつけていても
それでよかったんだ、
どう転がっても
よかったんだ。
更新履歴 ピアノ即興 橙
2018/07/15
大海原だ。黒くて、広くて
かなしくて、さびしくて
溺れないように、必死に泳ぎ続けた、
夜の中で彷徨っていた、
賑やかなネオンが懐かしい、
街の湿った賑やかな通りが
私を過ぎてゆく、愛しい感覚は残っていて
だけれど遠くて。
心細くて、口の中に塩水が沢山入って
もがき苦しんだ、
手を伸ばした、
誰もいなかった、
更新履歴 ピアノ即興 青
2018/07/09
紅いツツジが見事なまでに咲いていて
そこでただただぼうっと
立ち尽くしていた。
抗うすべもなく、滑り落ちて
またこの場所ではいくらか吼えることもあった。
簡単でしょう、ただこなすのなら
ただ毎日繰り返すのなら
ただ痛むだけなのなら
叫びたいことは幾度もあった。
だけど叫ばなかった。
そこで紅いツツジが私を見ている。
雨に濡れながら、ただただ向き合っていた。
更新履歴 ピアノ即興 紫
2018/06/25
強く風が吹いていた、
雲間から光は射し込み、
淡い空色が移動している。
ただその真下でずっと、ずうっと
歩き続けた、なぜだか哀しくて
その空を見ると、とても心苦しくて
遠く果てしなく沢山呼吸したのだ。
更新履歴 ピアノ即興 赤
Copyright© 君の音。 | 真島こころ公式ウェブサイト , 2024 AllRights Reserved.