「mono」 一覧
2016/05/08
いくつもの時が流れた。
かけがえのないものの大切さに気づいて
支えられていたというそのことにも気づいて
自分もそんな風に星を渡して返していけたらと
願った。海の音が聞こえた、あの子はまだ泣いている。
あの子の気持ちがよくわかるから
私はしゃがんで、やさしく見守った。
あの子の時間がまたいくつも流れたとき
あの子は星を渡す人になる。
更新履歴 ピアノ即興 mono
2016/03/03
春の陽気が心に元気をくれた。
こんな日は思い切って出かけよう。
篭っていた自分の体と心を、伸ばして
雪解けの世界へとつま先をつけた。
風のやんだ道で、裸の桜に生まれた新芽を見つけた。
私は春が少し前まで、得意ではなかった。
じんわりと溶けていく季節は
過ぎ去った桜の木のことを思い出させたからだ。
春の陽気が今は心地よくて
こんな日はどんなことも初めに戻るみたいで
思い出したくないことも春の幻に流されていくみたいだ。
ゆこう。また巡る季節に会いに、ゆくんだ。
更新履歴 ピアノ即興 mono
2016/02/08
愛しくて、さびしくて、怖くて、疲れ果てて。
更新履歴 mono
2015/11/28
それは、ひとりの寂しさのようにも思える。
朝の光が、雪に反射して眩しかった。
だけれど、心地よい。こんなに光に当たるのは
なにもかも、溶けていくような感覚。
屋根から雫がぽたりぽたり、と落ちて
体や心の中にある苦しさが癒えていくみたいだ。
ピアノ即興 mono 更新履歴
2015/10/14
それは夜のこと、降り続けていた小雨は
じんわりと雪に変わって、地面を濡らした。
遠くでは、踏み切りの音、
そして、列車の通過する音が聞こえた。
冬の匂いがいっぱいした、僕は立ち止まって
静かな足音を鳴らした。
更新履歴 mono
2015/09/25
誰もいない国道の真ん中、ライトが照らしていた。
近くでは踏み切りの音が鳴っている。
ウインカーをチカチカと点滅させる車が止まっていた。
そこには、誰も知らない物語がある。
☆2008年MIDI製作「真夜中の12号線」より。(MIDIリンク)
元々のMIDI用の曲ということもあり、
演奏として公開するのははじめてのことでした。
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2015/07/28
とおくの、かなしいしらせを聞いて、
僕は、まぶたを閉じてその人のことを
想像した。いろんなことを、想像した。
幸せに生きる人がいる。
そして、今もどこかで誰かが苦しんでいる。
そして。誰かが今日もいなくなる。
更新履歴 ピアノ即興 mono
2015/07/08
雨はやがて明けて。空が明るく広がりはじめた。
傘を捨てて。ゆっくりと体を伸ばせば、
夏の始まりに雲が高く佇む。
君とこれからどこへ出かけよう?
溜まっていた洗濯物を次々と干して、
眠っていた君を起こして、手を取り、ドアを開けた。
更新履歴 mono
2015/04/29
進めば進むほど、冷たい風に包みこまれるようにして
孤独の闇に投げ出されては唸るようにして声を上げた。
静かな憎しみが辺りを渦巻き、トゲが
何本も何本も刺しこんだ。
痛い。痛くても、眠りについて、朝が来れば
体に食物を流し込み、また進んでいくために、踏ん張る。
掴んでも、掴んでも、まだ足りない。
足りないものが見つかっては、
それを掴みに、足をずっしりと踏み込んで、明日へと進む。
更新履歴 mono
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