2024/11/03
全ての事が手のひらから
ゆるやかに落ちる頃、
凍てつく季節がやってきたのだ。
いつからか、気付いてはいたのだ、
ひび割れが出来ていると
気付いた頃には遅かったのだ。
波は押し寄せてぐんぐんと
闇に飲み込まれるのだった。
“好き”が”嫌い”になっていく
もうどうやっても止められなくて
塞き止めようとしても
どうにも出来ず
波はどんどん私を流していくのだった。
悲しい。
苦しい。
ただその二つがさらにそれを加速させるのだった。
波がずっと私を流して流して
遠くにやっていく。
二度と、同じ場所に戻れぬように。
更新履歴 ピアノ即興 mono
2024/10/14
街の喧騒が今は嘘みたいだ。
ネオンが揺らめく世界から一変、
静寂の中であなたとお別れしている。
言葉がいくつも降りかかって
必死に自分を保っている。
街の喧騒が嘘みたいだ。
ロープウェイで見ていた景色のように
ひとも世界も変わり続ける。
変わらないのはずっと自分だ。
自分だけが変わらなくて
世界はこんなにも変わっていく。
あなただって、また会う時には
変わるのでしょう?
手のしわが増えて、やがて華奢になっていくのでしょう。
それは止めることができなくて
悔しかった。
汽笛が鳴って新幹線に飛び乗った。
帰らなきゃ。
真っ直ぐに見れない世界がそこにはあった。
更新履歴 ピアノ即興 mono
2024/10/09
占い師の女は指を差した。
早く行かないと奪われちゃうよ、と。
私はその森へと進んでいく。
やがて沢山の人が笑顔で立っていた。
笑顔の人たちに招かれた私は
まるで魅了されながら森の奥へと進んでいく。
探し物はなんだったかもう覚えてはいない。
占い師の女はくすくすと不気味に笑って
林檎を齧った。
更新履歴 ピアノ即興 赤
2024/09/03
太陽が秋空に揺れる。鮮やかな空は
あの頃の音を蘇らせた。
まだたどたどしい指先の旋律。
だけれど、無我夢中で音を必死で探していた。
それは刃のようでもあり危うさでもあり
未熟さでもあった。
あの日の音に耳を傾けて
あんなふうに伸び伸びと、誰のことも気にせず
弾いてた頃が今は懐かしい。
思い出すのはあの時の熱。
紫 更新履歴 ピアノ即興
2024/08/06
秋の空が夕暮れの風とともに
やってきた。どんなに暑い夏が来ても、
君はやっぱりやってくるのだとほっとするのだった。
何故だろう、高ぶる気持ち。
それは、秋が呼んでいるからでしょう。
やがて両手を広げて大空を掻いた。
この気持ちに名前をつけるとしたら
なんて言葉にあらわせばいいのだろう。
🌟レコーダーを新調しましたので
ご依頼などこれ以降はこの音質でお届けになります。
更新履歴 ピアノ即興 黄色
2024/08/06
とある夏の記憶を思い出す。
君と出会った、あの日の記憶。
もう忘れたりはしないんだ。
🌟レコーダーを新調しましたので
ポケットサウンド様に寄稿した
こちらの話題曲をアレンジして
当方のサイトでも展示することにしました。
こちらの楽曲が挿入された
「アクアリウムは踊らない」ドラマCDの
宣伝TVCMが8/11から毎週流れるので
ぜひリスナー様方もチェックしてみてください。
更新履歴 ピアノ即興 紫
2024/08/04
ここには始めから欠片もない、
貴方はそう笑って夜のこと、部屋で横たわっていた。
求めれば求めるほど苦しくて
それなら最初からあきらめよう、って
貴方は微笑みながら泣きました。
更新履歴 ピアノ即興 水色
2024/07/09
裸足で水面に片足、そしてもう片方の足をつけてみた。
歩いていけば歩いていくほど
深くなっていく。
ぬるま湯みたいに身体中が水の中へ
危うさとともに安心感を覚えた。
もっと先へ。もっと先へいこう。
彼女は言った。危うさと安堵は紙一重なんだって。
深くなっていく、身体も心も溺れてしまおう。
更新履歴 ピアノ即興 mono
2024/06/07
果てしない空のことを想った。
ここにいること。
確かめたんだ。
更新履歴 ピアノ即興 鶯
2024/05/14
パラソルが揺れていた。
それは五月のこと。
忘れてたものを拾いに来た。
足跡がいくつも転がっていて
変わっていたものもあった。
そして変わらないものもあった。
やがて雨が降り始めた。
確かなあの日の記憶を、思い出していた。
新幹線のベルが轟く。
交錯する人達の喧騒がベルの音に混じった。
ここにいたから今私はこうして
笑っていられるのだろう。
そう言って、新幹線へ飛び乗った。
窓の向こうで君はおぼろげに笑っていた。
行かなくちゃ。
更新履歴 ピアノ即興 紫
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