世界と貴方と私と
2024/10/14
街の喧騒が今は嘘みたいだ。
ネオンが揺らめく世界から一変、
静寂の中であなたとお別れしている。
言葉がいくつも降りかかって
必死に自分を保っている。
街の喧騒が嘘みたいだ。
ロープウェイで見ていた景色のように
ひとも世界も変わり続ける。
変わらないのはずっと自分だ。
自分だけが変わらなくて
世界はこんなにも変わっていく。
あなただって、また会う時には
変わるのでしょう?
手のしわが増えて、やがて華奢になっていくのでしょう。
それは止めることができなくて
悔しかった。
汽笛が鳴って新幹線に飛び乗った。
帰らなきゃ。
真っ直ぐに見れない世界がそこにはあった。
その日、森に行くとイイデショウ
2024/10/09
占い師の女は指を差した。
早く行かないと奪われちゃうよ、と。
私はその森へと進んでいく。
やがて沢山の人が笑顔で立っていた。
笑顔の人たちに招かれた私は
まるで魅了されながら森の奥へと進んでいく。
探し物はなんだったかもう覚えてはいない。
占い師の女はくすくすと不気味に笑って
林檎を齧った。
あの空を思い出していた
2024/09/03
太陽が秋空に揺れる。鮮やかな空は
あの頃の音を蘇らせた。
まだたどたどしい指先の旋律。
だけれど、無我夢中で音を必死で探していた。
それは刃のようでもあり危うさでもあり
未熟さでもあった。
あの日の音に耳を傾けて
あんなふうに伸び伸びと、誰のことも気にせず
弾いてた頃が今は懐かしい。
思い出すのはあの時の熱。
別
2024/06/12
幼い私 ずっとずっと
皆と一緒だって 思ってた
いつまでも 一緒だね
そう笑った
目の前には 安らかな微笑み
手を合わせて 受け止めれなかったよ
ねぇ、どうして
終わりはあるんだろう?
大人になって ずっとずっと
皆と別れること 怖かった
いつまでも 一緒にいたい
そう泣いた
目の前には 冷たい指先
熱い瞳 受け止めれなかったよ
ねぇ、どうして
行かないでよ
思い出すのは あなたと過ごした
田園畑 ひまわり畑
トラックに乗って
一緒に 出かけたよ
手を繋いで いつも呼んだ
やさしく笑うから
いつも呼んで笑った
受け止めれないこと
受け止めなくていいよ
受け止めれないなら
それでいい
苦しくても いいんだ
つらくても それでいいの
いつも別れはやってくる
だけれどその度あたたかさを知る
生(せい)のあたたかさを
じかに知る
🌟アルバム「クレマチスの日記帳」より