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「桃色」 一覧

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春の雪がざわめく

2017/04/13

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春の雪がざわめいた、
荒れくるう風に呼びよせられながら
空は青くも地吹雪をおこして
ぴゅうぴゅう、と風が吹いた。
不安や息ぐるしさは
運ばれてどこかへと旅に出た。

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心の容

2016/10/12

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こんな風に笑っていても
姿が見えてかたちのあることが
全てではなくて、見えていることは
ほんの一部で
形にするほど薄っぺらい紙くずのようで
ましてや心をかたちにしたとしても
入りきらないうつわのようで
容に入りきらなかった心の屑が
いっぱい空中で散らばって
上唇と下唇をあわせて
かたちにするのすら
やめてしまう。

更新履歴 桃色

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制御不能の日

2016/09/08

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昇った、その小さな石はどこまでも昇って
頂上で大きな音とともに破裂して
どこまでもどこまでも落ちるのだ。
どうしてだ、昇っていけば破裂することが
わかっているのに、なぜとめられないのだ、
私の心がころがってころがって
漣のようにすすきの揺らめく道沿いを越えて
カーテンの揺れる真下から水が漏れ出して
体もぽろぽろ、ぽろぽろと壊れはじめて
小さな石になって、破裂するのを
とめることができない。

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やわらかな海に眠る

2016/09/02

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なにも思わず、
ただこの幸せな海の音がうかんでいた。

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春の自転車

2016/04/19

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つま先でペダルを思い切り、踏み込んだ。

春、川沿いの小高い遊歩道を
まっすぐと、自転車で走りゆく。
つまらないことも、この青空を見上げれば
大したことじゃない、と 心が空っぽになるのだ。
豊かな季節が向こうからやってくるような気がして
もっともっと速度を上げて、ペダルから足を離して
風に吹かれた。

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記憶が教えてくれる

2016/02/08

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毎日はどんなに冷たい春がきたとしても
時間は変わらず進むし、下を向いていても
それでいて小さなことの繰り返しを
やめずに重ねてゆく。

立ち止まり、しゃがんで、声を上げて泣いて
それでも夜がきたら眠りについて
また今日の私に生まれ変わって
出会った人たちの言葉を忘れず
想う。想い続ける。

つらいことも、淋しいことも、哀しい、苦しいことも
決して忘れてはいけない。そのことが、
どういう風に歩けばいいか 教えてくれる。
抱えるようにして、幾つものの明日へ。

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BGM作品 vol.17

2016/01/28

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曇り空の真下

空虚/曇り/灰色/淡々/冷たさ/静けさ/やや暗い

水温5℃

水/冷たさ/ぬるま湯/幻想的/悲しい回想/記憶/透明感

夜が散らばる

低音/轟き/粒/氷/演出的/夜/決戦前夜/静けさ/緊張感

白く薄れた世界

何もない部屋/透明感/静けさ/空白/記憶/冷たさ/消えていく

変わらない空へ宛てて

淡い青空/広がる/穏やか/爽やか/優しい/ゆったり/しなやか/日常

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pleasantly

2016/01/06

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かなしい音を紡ぐ気なんて起きなかった。
かなしいこと、苦しいこと、痛みを帯びて。
でもそれ以上に、飴玉を転がすみたいに
楽しく、はしゃいだのだった。楽しい気持ちを音に乗せて、
転がしていくように、歌った。

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幸せの空

2015/12/22

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何も出来なくても明るい気持ちで溢れていた。
少しだけ大人になって見た世界は、
辛い場所もありながら、それを知るからこそ
感じる幸せがあったのだ。取り巻く人は言う。
君は一人じゃない、と。
そうだ、私は一人なんかじゃなかった。
弱さを見せる。そのたびに、支えてくれる人がいて。
私は生かされているのだと、知った。

更新履歴 桃色

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今日だって夢を見る

2015/11/30

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ベッドに寝転がって、布団を被って
“どこも行けないまま今日が終わるんだな”って思った。

目を開ければそこは夢に見た世界だった。
あの街、私がずっと思い描いていた場所。

強く、強く、強く 願う。
この街にずっといたい。戻らないで、はしゃいで、
笑って、踊って、君の手を引いて、
どこまでも行くんだ。泣きそうなぐらい、
わけがわからないぐらい、自分でないみたいに、楽しい時間。

ベッドに寝転がって、布団を被って
“どこも行けないまま今日が終わるんだな”って思った。

そうして、また私は夢を見る。

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