「ピアノ即興」 一覧
2022/07/27
足は動かなくて
喉はカラカラで
やりたいことは認められなくて
いつも逃げていた
誤魔化していた
人のせいにしてた
なにもかわらない変わらなすぎて
ある日私は受け入れた
底にいる人でしょ
受け入れたら私は
なにもなにも才はなくて
私は弱い人だ
更新履歴 弾き語り
2022/07/27
赤いりんごは
手の届かない場所で佇んでる。
手を伸ばそうとすると
すぐに転げ落ちて
喉の乾きは止まらず
咳込んでしまう。
いつもやっていることならば
上手く誰もが認めてくれた。
そのぬるま湯の中で生き続けることは
いくらでもできたけれど
私の心の中の熱が
あのりんごに手を伸ばそうと
必死だ。
誰もが取れないよ、と
冷笑した。
私の瞳の中の輝きがバチバチと
火花を放っている。
絶対に掴み取るまで
あきらめない。
絶対に掴み取るまで
この手を伸ばし続ける。
更新履歴 ピアノ即興 緑
2022/07/03
夜のこと。
君と線香花火をしていた。
独りぼっちの僕らは
一緒にいても
馴れ合うわけではなく
ただ一年に一度
君が帰ってきた時
線香花火をするだけだ。
更新履歴 ピアノ即興 赤
2022/06/29
線香花火が散っている。
その様子を僕はただ眺めているだけだ。
あの子は言った。
「そうやって優しい顔だけしていたら
貴方は地獄を見ることになるよ。」
笑顔と優しい言葉といつも楽しい話をする少年は
ある時気が付いてしまった。
自分にはこんなにも醜い憎しみが
幾つも渦巻いているのだと。
それはあまりにもみすぼらしい心。
どうやってもその心は
笑顔で、優しく、楽しく繕っていても
色濃く滲み出てしまう時もあった。
もっと僕はこういう人間だってそういう風に
少しでも出せたら違ったんだろうに。
線香花火が散っている。
その様子を僕はただ眺めているだけだ。
君は哀しそうに笑った。
更新履歴 ピアノ即興 赤
2022/06/25
「暑くて、眩暈がするんだ。」
君はそう言っていくつかの話をして
気が付いたらどこかへと消えてしまった。
暑くてまるで何も考えられない。
考えられなくてそれでよかったんだ。
何も言わず何も想わず
ただただひんやりとした浅瀬で横たわっていた。
更新履歴 ピアノ即興 黄色
2022/04/27
哀しいことは尽きなくて
その度いろんな感情や考えが入り混じって
混沌とした渦を巻いていて
私は外側からじっとその世界を眺めて
瞼を閉じて考えた。
深い哀しみが想像できないぐらいに
佇んで、それは一切誰も知ることができない。
哀しい争いは尽きなくて
剣を持った人が沢山傷つけたり
傷つけられたりして
私はそんな世界でただ傍観するように漂っていた。
更新履歴 ピアノ即興 緑
2022/04/25
外はどしゃぶりだ。両手いっぱいに
抱えた荷物に体は応えながら
モノレールへと飛び乗った。
外は湿気があるが冷ややかな風が
換気をしている車両の窓から
ひゅるららと吹いて汗ばんだ身体を癒してくれた。
「風、気持ちいいね」
どうしてだろう、雨の中、
東京の景色が空気は汚れていても
沢山のビルが並んで喧騒していても
美しい風景に心留めていた。
幾度に願った。
ここにまた来て沢山の人と関わることを。
幾度も夢見た。
こうしてまた来て、雨の中の
モノレールでもう何も車内の喧騒は聞こえず
ただただ、雨の街並みに見とれていた。
ピアノ即興 mono 更新履歴
2022/03/30
春はいつだって私を強くさせた。
風に靡いて植物は芽吹き
やがて一歩、外へと
心は向いていくのでしょう。
そういう風に幾つの年も
春を待っていて。
私はどんどん前のめりになって
新しい季節へと
釘付けになって
夢中ではしゃいで、踊って、歌って
春はいつだって私を強くさせた。
更新履歴 ピアノ即興 赤
2022/03/13
春は遠く、世界では哀しみが起きていた。
こんな風に梅が咲いて湖は輝いて
畑では新しい命が芽吹いて
それなのにそれ以上何を求めるというのか。
サンダルで緩い足元をぐらつきながら歩いていく。
ぬかるんだ土の場所もあれば
しっかり歩ける砂利道もあった。
幸せもあれば哀しみもあった。
幸せな人がいれば哀しみに暮れる人もいた。
そのことを何も気にも留めない人もいた。
更新履歴 ピアノ即興 緑
2022/02/12
季節の移ろいは早いもので
あれほどに積もった雪も地面が見え始めて
濡れた道は春を感じさせた。
雪解けの匂いは故郷を思い出させてくれる。
やがて身体は動くようになり
心は軽くなるだろう。
幾度も願った、春が訪れてほしいと。
更新履歴 ピアノ即興 橙
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