私と言葉と
2019/04/17


「お前はなんのために言葉を、紡ぐのだ」
老人は、そう言う。
自分のため。誰かのため。
いや、誰の為でもないのかもしれない。
そこに、意味は成してないのかもしれない。
言葉と初めて向き合ってから
幾つもの時が流れて、幾つものの
呼吸のしにくさを感じた。苦しさばかりだった。
「こんなに大切に、言葉を、できないのなら
言葉などいらないです」
言葉はあるとき他人を傷つけた。
言葉は跳ね返って自分を苦しめた。
そんな言葉なら、言葉などいらないと願った。
口を塞ぎ、目を閉じて、だけれどそれは違った。
そのことにある日を境に気付いた。
「言葉は、苦しんだり、他人を傷つけるものではないのだ」
言葉があるから、生かされたり、
誰かに救われたこともあった。
言葉が自分のためになることもあった。
「言葉は、ただの、道具だ」
一瞬、一瞬、ガラクタのような文字列が心に転がっている。
一瞬、一瞬、私は言葉を使って、
私も、世界を、少しでも楽に、
少しでも幸せにできたら
自分の心が、全てをあらわしている。
心から綺麗に洗浄して、
いきましょう、わかったのなら、もう口を塞ぐことはない。
ゆこう。
日曜の夜。列車に乗って
2019/04/04


日曜の夜は何となく好きだ。
がらりと空席の多い電車で
運ばれてゆく人たちは
今日も仕事で疲れてる人や
明日からの憂鬱に俯いてる人、
しゃべりあって最寄り駅まで辿りつく
二人組みの女の子達。
そこに、物語があり、
続いている。
電車は今日も月曜までへと
運びゆくのだ。
その階段を下りても世界は続くでしょう
2019/03/05


/YOUTUBE版
その一歩を踏み出せば
いつもなら、世界との境界を感じるぐらいに
視界は真っ暗になって
怯える世界に戻ることになるでしょう、
だけれど今ここからは違う。
この一歩を踏んでこの線を越えたとしても
同じ世界のままだ。
幸せを感じることの違和感がなくなった日々は
視界は明るくも暗くなくて
世界に自然と綺麗なまま馴染んでいるのだった。
疑問に思うこともなかった、
これまでの足跡は確かに今日に息づいてる。
矢印は今を指している
2019/02/13


どれほどの安堵、
どれほどの幸福に満ちていても
人を信じることは未だ出来ずにいた。
あの頃、何もかもがはじめてのことで
何もかもがうれしくてかなしくて
ボロボロと泣いいてた、
何もかも信じることが出来た日もあった。
☆「曖昧な線の向こうへ行く為に」の
姉妹曲となっております。