野花は噛み締めた
2022/08/17
きっと、純粋な気持ちだったんだ。
うまく、いくんだって
頑張れば、がむしゃらでも頑張っていけば
なんでも光を浴びれるって
そう過信していただけだ。
思い通りにいかなくて
空き缶を蹴ったら
その空き缶はどこまでも飛んで行って
何度も空き缶を蹴ってどこまでも
どこまでも飛ばしてしまった。
やりたいことや求めることは
何一つかえってこなくて
思い通りにいかないことのほうがほとんどなのだ。
ねぇ、あの時のあの笑い声や大笑いは
本当だったんでしょう。
ねぇ、あの時頑張ったことは
本当だったんでしょう。
それでいいんだ。それであることは確かなんだ。
きっと、純粋な気持ちだったんだ。
うまく、いくんだって。
頑張れば、がむしゃらでも頑張っていけば
なんでもうまくいくんだって
そう過信していただけだ。
☆ピアノ曲バージョンはこちらより。
やさしい仮面
2022/06/29
線香花火が散っている。
その様子を僕はただ眺めているだけだ。
あの子は言った。
「そうやって優しい顔だけしていたら
貴方は地獄を見ることになるよ。」
笑顔と優しい言葉といつも楽しい話をする少年は
ある時気が付いてしまった。
自分にはこんなにも醜い憎しみが
幾つも渦巻いているのだと。
それはあまりにもみすぼらしい心。
どうやってもその心は
笑顔で、優しく、楽しく繕っていても
色濃く滲み出てしまう時もあった。
もっと僕はこういう人間だってそういう風に
少しでも出せたら違ったんだろうに。
線香花火が散っている。
その様子を僕はただ眺めているだけだ。
君は哀しそうに笑った。
言葉では足りない
2021/11/23
しんしんと降り積もる雪がずっと記憶にあった。
それは時に何もかもを奪う敵となった。
それは未来さえも闇に葬るようでもあった。
私が歳を重ねた頃全てを薙ぎ捨てた、ようにも思えた。
あくる日の今日を迎えた時
全てを捨てたわけじゃないと知った。
それは間違いでもあり間違いでもなかった。
あのキラキラした輝いている瞬間を覚えているか。
忘れてしまっていたのか。
それともわすれようとしていたのか。
全てから離れるために悪にしていたのか。
言葉をいくつ重ねても足りていない。
あの輝きを思い出した時
私は息苦しい思いを全て解き放った。
全てはこの日のためにあった。
胸が焼けるように熱かった。
何もかも後付けがましい。
後付けのようで美化のようでもあり
だけれど確かそこに輝きがあったのだと
お前は思い出す。
悲しいぐらいに振り切った。
何もかも人のせいにした。
だけれどはずっと、自分の中に
輝きがあったんだ。
私は獣だ
2021/06/23
朝から苛立ってコップ一杯の水を飲み干す。
何に苛立ってるんだろう。
特に急いでるわけでなく
何かに苛立ってるわけでなく
もしかしたら自分に苛立っているのかもしれない。
新しい場所に越してから
できない事がたくさんあることに気づいた。
感情のコントロールもできない日もある。
出来ないこと、苛立つことも
許せなくて
自分をボコボコにしたくて
今日もコップ一杯の水を飲み干して
朝だと気づく。
少しも越してから変わらないままの毎日が
ざわつかせて
形のない声が焦らせる。
☆前衛的な曲です。好みは分かれるかもしれませんが
感情をそのまま乗せました。
いつもとは違う感じですのでご注意ください。
白雪姫は毒林檎を齧る
2020/10/31
少女は老婆にもらったという
艶めいた紅い林檎をかじる。
それは甘酸っぱくて美味しくて
いくつも、いくつも
毒林檎とも知らず
まるで狂ったように食らうのであった。