遠い地平線
2021/12/17
空は嘘みたいに青く晴天だ。
故郷がまるで送り出すかのように
うまく運ぶように私を連れていく。
長い夢の中で
電車の中で
涙を伊達めがねで隠しながら
帰った夜から過ぎ去って。
ふるさとは遠ざかっていく。
絶対の「さようなら」では
なくなったと知るのだった。
田園しか見えないこの地を
空から見下ろす。
あまりにも尊くて愛おしくて
苦しかった。
私は生まれ変わっていた。
何度でもさなぎから羽を伸ばして
何度も脱皮するのだ。
旅をしながら思った。
また、帰ろうって。
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