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「鶯」 一覧

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春の風はどこまでも吹く

2016/02/24

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凛と張り詰めていた、雪解けの季節は
叫んでしまいたい気持ちも
もどかしくて仕方のない気持ちも
冷たい風がまっすぐ、まっすぐと突き抜けていくみたいに
どこまでも走っていくんだ。
「私も連れていって。」そう一声、発せば
たくましい風が吹いて、また通り抜けた。

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幸せのために

2015/09/11

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「…人のために、行いをしたとしても、
 それはきっと自分のためでもあるんだ…」

足元はすごく冷たいのに、
肩の上にある加藤の手が、とても、やさしくて
あたたかくて、それでいてかなしかった。
こんなにやさしいのに…いや、こんなにやさしいから…
かなしいんだろう。



☆サウンドノベル
「朝焼けのブルー?-Pianissimo episode-」本編BGMより

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いつも。視線の向こうには君がいる

2015/08/17

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砂浜に、今日も駆け降りた。
カモメの鳴き声が水の上で響く。
ゆっくり、日が沈む海の向こうの空を眺めながら、
海小屋に向かった。

今日は海小屋に、ランプがついているように見えた。
あの人がいる場所へ、気が付けば足を運んでいた。



☆サウンドノベル
「朝焼けのブルー?-Pianissimo episode-」本編BGMより

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雨を見ていた日 ver.2015

2015/05/26

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その日も、雨でした。

この病棟では数少ない窓から、
雨の中走りゆく道路を見下ろしました。
家族のことを考えました。友達のことも考えました。
窓はとても冷たいです。濡れているからです。

その日も、雨でした。


「雨を見ていた日」のリメイク作品です。
日付を記録してなかったため、このリンク先の
日付よりも、もしかしたら少し過去の曲かもしれません。
さらに時間が経過して、実体験を思い出すように
大切に演奏しました。

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そうして冬はやさしく訪れた

2014/10/29

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この町にも、ふゆがやってきた。
それは、やさしく、ふわりと光が鳴るように。
ひんやりとした寒さは、一層まぶしく
部屋を照らすようだった。

手袋をつけて、
マフラーを巻いて、吐息を白くさせながら、
あてもなく、あるきはじめた朝のこと。

「さぁ、今年も ふゆという季節を
 さがしに出かけましょうか」

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ピアニッシモ

2014/08/19

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こんな風に、ずっと黙っていても、
誰かと綺麗なものを眺めたりすることが
できるんだと安心した。

足元はすごく冷たいのに、
肩の上にある加藤の手が、とても、やさしくてあたたかくて、
それでいてかなしかった。

こんなにやさしいのに…
いや、こんなにやさしいから…
かなしいんだろう。

☆サウンドノベル「朝焼けのブルー」続編、
「朝焼けのブルー?-Pianissimo episode-」のテーマ曲です。

特設サイトも公開中です。

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なつをおよぐ

2014/07/22

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数々の音色がきらり、きらりと光る。
揺らぐ波も光を成して海を泳ぎ、今日の風を感じた。
アイスクリームが溶けるような暑さの中、
街を行き交う人たちは時間を忘れ、ひしめきあう。
どこを切り取ろうかと迷うこともなく、
シャッターを切っていった。

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それでも地球は廻る

2014/06/16

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建物と人、カラスがゴミをあさっている。
電線と車が走って、空気が汚れる。
こんなにかなしいことが、気付かれないまま。
今日も食卓の上で残された食事が処分されて
遠くのほうでは沢山の人たちが死んでいく。
こんなにかなしいことを、気に留めないなんて。
口にも出せず。太陽は沈む。やがて夜が来る。
明るい夜空の下で、声を殺した。
こんなにかなしいことを、まいにち、つづけていくなんて。

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エメラルドの風

2014/06/09

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きみは、
「雨の匂いが好き」と言った。
わたしは、
「この花、近くで見ると、すっごくきれいだね」と言った。

そうやって、自分にとっての幸せを、
真の気持ちで言い合えるのなら
もうそれでなにもいらなかった。

「飛行機雲だ!」と指をさして笑うことも、
許されない世の中で
ほのかに色づくやさしい風の匂いを感じた。

そのエメラルドの風は、包むように背中を押してくれた。
いつも右肩にそっと手を置いてくれてるようで、
電車がホームに転がるように到着するときの場面でさえも
怖いという気持ちが、軽くなり、自分を守るように構えた。

携帯を見つめる人しかいない夜の電車に乗った。
色んな建物がひしめき合う中で、
外の光がガラスに反射して彩る。
心の中がもぞもぞして、さびしかった。
きみと、こんなとき、
窓の向こう側を見て、楽しく笑いあえたら
とても幸せなのにな、と。

うつくしい世界があると気付いても、
きみがいなくてはならない。
うつくしい世界があるとしても、
しあわせになれるわけではないんだ。

きみといつもの風景を眺めるから、楽しいし
きみとごはんを食べるから、おいしいし
かなしいときも、きみは泣いてしまうので、
こころがやさしい。

きみと、目を閉じて、
風や葉の音をきいてベンチに座っていた。
しばらく目を閉じていれば、
開けた時、とてもまぶしいと知る。
すごくまぶしくて、目をぱちぱちさせて。
空にはカラスがぐるりと飛んでいた。天気がよいから、
気持ちよいのだろう。

きみに、であえたことが、
うれしくて今夜は泣いてしまおう。
こんなことは、誰しも、
ましてや簡単に、言えることではないのだ。
きみに、であえたことが、ほんとうにうれしい。

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変わりゆく季節の狭間で

2014/03/23

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こころでおしゃべりするには、こころが狭すぎた。
からだが崩れていく、それでいてこころは冷静でいた。
外の冷たさが、瞳の中にしみこんでいくようにして
おとずれたのは春という今日。
空いた分だけ抜けていったきもち。忘れてしまったこと。
だけれど、その分だけ強く生きれるような気もした。
水たまりを避けるようにして歩いたら、
ちょっとした場所で躓いて転んだ。
忘れないで生きていくにはあまりにもつらい。
忘れてばかりではあまりにも残酷で。

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