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「橙」 一覧

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夜に光は纏う

2016/02/09

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ほたるのように、雪が光って舞い降りた。
灯りはいつだって、心に寄り添うもので
こんなにつらい帰り道だって
並ぶようにして橙色の光が灯ると
もうどうだってよくなるんだ。
うつくしいその世界に僕は全てをゆだねた。

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過ぎゆく刻にのせて

2016/01/18

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時間は刻々と過ぎていく。こんな毎日でも
いつか明ける日が来るのだと思えば。
時計の針が進んでいく、風景も変わっていく、
自分自身も変わっていく、みんな変わっていく。
毎日も、そうして、変わっていく。

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夜の車窓にて

2016/01/12

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それまでは、静かに会話をしていたように思う。
高架塔がちかちかと、赤く点灯して
沈黙する私たちは外の風景を眺めていた。
暖かい色をした電車が冷たく追い越していく。
窓の向こうの風景に魅せられて、心が膨張していく。

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やさしい日 - Christmas night-

2015/12/23

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窓の向こう、空を見上げた。
星や満月がやさしく笑うから、僕もそっと笑い返す。
なにを想おう、なにを祈ろう、今日は特別な日。
あたたかな場所へ向かう。
街へと、雪や光の中で君を見つけた。
手を振れば、君は雪のように笑ったのだった。

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探しもの

2015/10/07

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いつだって、探しものをして生きている。

昨日出ていた月だって、
どこへ行ってしまったのだろう。

明日が怖い日々は、どうしてなくなったのだろう。

変わっていく、ものたちが
いくつもあるから、明日へと向かうのだろう。

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かえろう

2015/06/18

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「うちへ、かえろう。」

電車は、よこや、たてに 揺れて
カーブへと 接していた。

車窓から見える先頭車両 が
ずーっと この線路を ひっぱっていた。

疲れて からっぽな私を ずーっと連れていくの。
車窓からは 夕焼けが 空に沁み渡るように広がる。

「うちへ、かえろう。」

そうしたほうが、いいと
空が言っているのだ。

「うちへ、かえろう。」

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誰もいない夕暮れの図書室

2015/06/06

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窓から、茜色の夕焼けがぼうっと霞むように照りつけた。
本棚にも茜色の光が射して、図書室は茜色に染まるのだった。
向こう側から電車が走る音が遠く聞こえた。
静かな図書室だから、色んな音や光が
よく聞こえたり、見えたりしたのだった。
そっと瞼を閉じて、かけがえのないものに全てを研ぎ澄ませて馳せた。

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夏が過ぎ去った日

2014/08/26

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今日はやけに涼しいので、一枚カーディガンを羽織った。
淡い空が高い雲を静かに泳がせる。
ゆっくり、ゆっくり時間が過ぎていくようで
一瞬は加速するように終わるのだ。
風に揺れるススキをそっとつまむように手を伸ばした。
秋が近い。自然と運ぶ足先がよく知っている。

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午後4時過ぎの、公園

2014/07/03

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午後、4時過ぎ。そっとドアを開けてのぞんだ世界は
太陽が傾いて草原に光が寝転がる。
空は、静かに佇んでいて現実を少しだけ忘れた。
ゆっくり、ゆっくりと歩けば転ぶこともなく、
よく世界が見えた。時計は見ない。
風に吹かれていると、心が水の中にいるみたいで
日差しに照らされ、ぼやけた視界に目をこすった。

更新履歴 ピアノ即興

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叫ぶ風

2014/02/03

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風が走れば、どこへだって飛んで行けそうだ。
もっと、深く呼吸をしてもいい。
もっと、活き活きと歩いてもいい。
もっと、遠くのほうまで体を泳がせたい。
もっと、夢でなく、確かに現実であることを認識して、
心を開いて、歩くほどに強く。生きていきたい。

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