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「 年別アーカイブ:2021年 」 一覧

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春の嵐は貴方を連れてきた

2021/03/30

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水が、下半身を覆う。
水はだんだん高さを増していく。
すごい雨だ。
自転車でなんとか逃げ切ったら
白い花束のあなたは待っていた。
そこで貴方といくつかの話をした。
水の中を越えてまた道路を
自転車でこいでまた元の場所に戻る。

白い花束の貴方はまるで
水の中の現実では行けない場所まで行ってしまって
もう体のある状態で
会うことはできない。

私は幸せになっていいのか。
貴方の夢を見るたびに思う。

目が覚めたら春の嵐が
一面を濡らしていた。

水色 更新履歴 ピアノ即興

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ラピスラズリの少女

2021/03/06

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何かあったわけじゃないのに
心の中がざわめいてしまったら
いつもこのラピスラズリの御守を
手にして
私は強く激しく歌い、
嵐のような夜でも強く生きていくのだ。
少女はラピスラズリの石を握り締めて
今宵、強いひとになる。

更新履歴 ピアノ即興

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新快速二番線より

2021/03/05

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新快速、二番線より
発車の音が轟く。
この音は少し東京と似ている。

私はこの風景を知っている。
第二の故郷が近づくにつれて
はじめての故郷が重なって見えた。

なぜかほっとして、
なぜかすっと力が抜けて

心強くて、愛おしくて
待っている人のもとに
帰るのだ。

こんな田畑の夜の風景を見て
もっと、もっとなにも建物のないところまで
連れてってと願う。

あなたが待っているその駅へ。
ゆけ。ゆくんだ。

更新履歴 ピアノ即興

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有限の心は知っていた

2021/02/17

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カラカラに乾いた喉が
水でたくさん潤してほしいと言っている。
飲んでも飲んでも尽きないその水が
いつからか不安に、いつからか怖く感じた。
いつまでも流れる水が
いつまでも流れ続けるわけではないと
わかっていたからだ。

更新履歴 ピアノ即興

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ここに生きること

2021/02/12

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飛行機雲がすいーっと伸びて
走るように空に駆け抜けた。
雪の積もった山が天高く聳え立っている。
あたたかくて、時々肌寒くて
これは春だ、と気づいた。

更新履歴 ピアノ即興

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遊園地のコーヒーカップ

2021/01/20

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ふわふわと遊園地のコーヒーカップに乗っていた。
なぜかいくら回しても目が回らなかった。
だからずっと手で回して回して
ずっと回し続けて
運んでいくカップは一人だけ、私だけが
乗っているようだった。
くるりくるりとそのカップは回って
誰ともぶつかることはない。
これが夢の中であることはわかっていた。
いつまでも一人で回っていたかった。
くるりくるりと夢は永遠に。
いつまでも覚めないで、と願った。

更新履歴 ピアノ即興 桃色

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無の世界で

2021/01/18

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どれもこれもくだらなくて 
情報合戦のワイドニュースは日々流れてく

どれもこれも何も響かなくて
ただ世界で過ごしている

どれもこれもくだらなくて
ウソもホントも 疑心暗鬼も SNSも

どれもこれも心はなくて
ただ無の僕は眺めてる

ここにいる 誰もいる
誰も言わない 直接言わない

ここにいる 誰もがいる
誰も彼も自分が大事
他人など知らぬ

ここにいる 誰もいる
自分が大事、自分が大事

どれもこれもくだらなくて
情報合戦のワイドニュース見て流れてく

どれもこれも何も響かなくて
ただそんな世界で過ごしている

どれもこれもくだらなくて
ウソもホントも 疑心暗鬼も SNSも

どれもこれも何も心は無くて
何かも、無くて

ここにいる 誰もいる
誰も言わない 直接言わない

ここにいる 誰もがいる
誰も彼も 自分が大事
他人など知らぬ
他人など知らぬ

ここにいる ここにいる
ここにいる

弾き語り 更新履歴 ピアノ即興

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水の破裂

2021/01/11

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地面から水が溢れ出して
それは留まることを知らない。
ピーという警告音。
溢れ出す勢いは増す。
ぐるぐると渦を作って
やがて沢山の水溜りができる。
破裂しそうな思いを
ぷつ、ぷつんといくつも
流して、水溜りを作った。
叫びのように溢れる水は
濁っていたのに
地上に出れば少しずつ
透明になっていくのだった。

更新履歴 水色

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幻の君へ

2021/01/03

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夢の中で彼女はまた現れた。
骨を、埋めたい、と言うのだ。
私に預かってほしいと骨を一旦預かる。
ダンボールに隠してしまった。
彼女の記憶がまた蘇る。
骨を埋める夢は忘れたい記憶らしいのだ。
別の世界で生きれば
少しでも忘れられると思っていた。
夢の中で君は、だんだん君じゃなくなって
私の中で幻を作っているように思う。
君は、私の心に棲んでいる幻だ。
もう忘れてしまおうと何かも薙ぎ払ったはずなのに
幻の君がずっと、ずっと現れる。
君はもういない。
これは幻だ。

更新履歴 ピアノ即興 桃色

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強く、どこまでも強く生きて

2021/01/02

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真っ白になった雪景色は
溶けない長い冬を思い出させる。

ほのかに灯るこのあたたかさと
やさしさに包まれて
忘れてしまうことも、たびたびあった。
しばらくふわふわと幸せに浸っていた、
尽きない幸せを感じていた。

不思議なぐらい不安がなかった、
そんな日々が刻まれていて
体はいつだって壊れるのに
今は何も考えれないほど
幸せに浸っていたかった。

真っ白になった雪景色と冷え込む寒さは
あの闇に飲まれた日々を思い出させる。

少しだけ目をそらせば
幸せだけが見えた。
少しだけもとの場所を見れば
ーいつかは崖から落ちる。
そう自分に戒めておくのだ。

だけれど、私には今までないぐらいの
強さが宿っている。
例え崖から落ちても
這いつくばってまた光の場所に辿り着くんだ。
何度でも登ってきたこの私の生きた日々が
未来に続く導となる。

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