幻の君へ
2021/01/03
夢の中で彼女はまた現れた。
骨を、埋めたい、と言うのだ。
私に預かってほしいと骨を一旦預かる。
ダンボールに隠してしまった。
彼女の記憶がまた蘇る。
骨を埋める夢は忘れたい記憶らしいのだ。
別の世界で生きれば
少しでも忘れられると思っていた。
夢の中で君は、だんだん君じゃなくなって
私の中で幻を作っているように思う。
君は、私の心に棲んでいる幻だ。
もう忘れてしまおうと何かも薙ぎ払ったはずなのに
幻の君がずっと、ずっと現れる。
君はもういない。
これは幻だ。
更新履歴 ピアノ即興 桃色