まどろみの中の目隠し
2016/06/06
まどろみの中で、またあなたは現われた。
何も言わず、ただやさしく笑うので
声をかけようとすると、あなたは急に泣きだした。
あなたがなぜ泣いているのか、わからないまま
私はそこで立ち尽くして、眺めていた。
あなたは、そうしてまたやさしく笑う。
あなたは、そうしてまたやさしく笑うので、
私はまたわからなくなって
遠回りするように、とぼとぼとあなたとは遠い世界を
底の低い世界を亀のように歩き続けた。
まどろみの中で、またあなたは現われた。
私は両手で自分の右目と、そして左目を隠した。
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