また、ね
2013/03/07
冷たい風が通り抜ける中、
とっさに案内したのは、誰もいないレストラン。
知らないオペラが店内を流れていて、彼女もやがて、
口を開いた。
頼んだマシュマロココアは甘すぎるし、
流れるオペラの曲は今の話にしっくりきすぎて、
逆にどれも邪魔に思えた。
人は、もしかしたら、年をとると、
少しガンコさんになったり、
大人らしい大人になっていくのかもしれない。
雪解けの道は、歩きやすいけれど、
彼女と出会った頃に歩いた道を思い出させた。
どうにも腑に落ちない感情は、
やがて列車に乗せて運んでくれた。
彼女のようなお花の咲く季節が、
今年もやってくるんだなって、
冷たい風に身震いしながら、思った。
☆「ミュージックもん」様にて、
2012年10月掲載曲として楽曲が掲載されました。