水面に眠る
2014/09/18
水面に、ゆらゆらと自分の姿がぼんやりと映るので
目をそらして、風の音だけを聞くようにした。
大したことじゃないから、と空笑いする自分の姿は
なにとも滑稽で。自分が自分らしく頑張るのは
本当に、本当にバカみたいだ。投げ捨てた大事なものを
大好きな人たちがやさしく拾って、私に渡してきたのだった。
その大事なものを、受け取らず、何も言わず
背を向けて秋へと向かった。
時間は過ぎるほどに、気を紛らわし続けて、
目を瞑っていった。
一生懸命に、まじめに、熱を入れれば、すごく笑われた。
気が付けば、体も心も、狭い、水面の中に沈んでいた。
沈んでいるのも、少し安心した。眠りについて、
また朝が来た。一日、一日が、水面の中で揺らぐように
足をプカプカと浮かせていたのだった。