「過去作品」カテゴリーアーカイブ
向こうから雨音がきこえてくる
向こうから雨音がきこえてくる
2013/07/23
東京のほうは、雨が降って、雷も鳴ってるそうだ。
新聞、この前の選挙のニュースを流し流し読んで、
こちらのほうはすごく晴れていますって呟こうとして、やめた。
夏風が元気よく吹き抜けて、夏野菜をたくさん食べて、
明日は怪しい雲行きだなって天気予報を見て。
今年の夏、さよなら(7つの調べ)
今年の夏、さよなら(7つの調べ)
2013/06/03
全7曲構成。
(訪れ)
22度目の夏を迎えた。風はなく、蜃気楼には遠い。
アスファルトに熱がこもって、僕の視界もやがて溶けていく。
入道雲はゆっくり流れていた。時間もそうして流れては、いく。
誰かの手を放しても、誰かに手放されても、
遠いどこかで誰かが殺されても、
病で誰かが死んでしまっても、
流れていくんだ。
夏も、見えない風も、
僕も、
石ころも、明日も、今も、くだらないことも。
(過去)
紙ヒコーキ、飛ばしたね。夏の匂いが、したね。
川、落っこちたのは、私の心だったの。
トンボが、かなしくおよいでいるのは、夏だから。
身体中感じるのは、夏という温度や湿度、
耳を澄ましたらきこえる音。
また、もう一度、手紙を書いて、
あの川に紙ヒコーキ、飛ばしますね。
覚えていてください。
(日々)
あっ、動いた。動かないで。シャッターを切る。
レンズに写った君の顔、おかしい。思わず、笑ってしまう。
夏はだんだん、だんだん苦しいほど、暑さを増していく。
冷房の効いてる場所で、冷たい水をくちに運ぶ。
レンズにおさめた時はずっとずっと、夏のままなのにね。
ずっとずっと、そのままなのにね。
(倦怠)
気だるさ、嫌気のさすような、明るすぎる光。瞼を閉じる。
食欲もなくなってきている。
それでも動いている、時間と太陽と、
聳える雲と、光も、僕さえも。
だんだん、だんだん、この暑さにも慣れてくるんだろうか。
(焦燥)
カレンダーめくり忘れてるよ。めくっておこっか?
海に溺れたような息苦しさ、
視界には君がいる。セミが鳴いてる。
うるさい。セミが、君が、うるさい。うるさい。
泡を吹きそうな、気持ち悪さ。
風が開けっ放しの窓から吹いてきた。
カレンダーがめくれる。めくれて、
また先月のページに閉じられた。
(幸福)
「―――――――――――――――。」
(終り)
その日は雨。22度目の夏の終りの音は、聞こえている。
雨も、流れていくんだ。
僕はもうすぐ、こんな風に夏を過ごすのは最後だとか、
思ったりするんだ。
雨はいつだって、やさしい。
雨はいつだって、つめたい。
雨が止んだら、また僕は、流れていきます。
これらの文章を読んでくださって、
もしかしたらわかる方いらっしゃるかもしれませんが、
僕、夏が好きなんです。
やさしさの種

やさしさの種
2013/04/05
“やさしさ”をもらい、”やさしさ”に気付き、
“やさしさ”をまねて、自分も”やさしさ”を渡す。
今日も、やさしさの種を貰いに、ドアをそっと開けた。
お日様が眩しい。今日もどんな形のやさしさの種が咲くかな。
想像してみた。
すごく、お日様があたってるせいか、あたたかかった。
戒め

戒め
2010/03/29
轟いた。頭の中に駆け巡る、あの言葉やこの言葉。
ここで溺れているのは…―――――現実。
ああ、苦しいやぁ。それさえも許されないやぁ。
後ろを向いても誰かが見てるやぁ。前を向いても怖いやぁ。
こころはずっと守り続けている。なによりも自分自身を。